Lab Expectations | CSTブログ

論文掲載に値するIF画像を得るための5つのステップ

筆者:Tara W | Sep 23, 2015

百聞は一見に如かずと言いますが、免疫蛍光染色 (IF) イメージングによるタンパク質の解析にも同じことが言えます。科学的な実験の説明に用いる画像は、本文と同様に多くの情報を伝える役割を担います。CSTは、抗体の品質と厳格な検証プロセスに対し自信を持っています。IF用として承認する弊社の一次抗体については、社内で得られた高品質の画像も公開しています。IF染色を計画する際、弊社が推奨するIFプロトコールだけでなく、他にもいくつか考慮すべき点があります。 

ステップ1:細胞の健康状態

IF画像から、お使いの細胞の健康状態が分かります。週末にインキュベーター内に放置されたプレートの細胞は、多核化し、ストレス顆粒やコンタミネーション、または死んだ細胞の破片が認められる場合があります (下記参照)。

ステップ2:細胞の密度

時には、非常にコンフルエントな培養細胞を用いて、ZO-2 (ZO-2 Antibody #2847など) のタイトジャンクションなどのシグナル伝達を観察する場合もあります。しかし細胞が過剰にコンフルエントな場合、限界を定義しないと画像の意義が失われることがあります。一方、細胞があまりにもまばらな場合は、画像化すべき視野の選択が限られます。

A431細胞をZO-2 Antibody #2847(緑) を用いて免疫蛍光染色し共焦点顕微鏡で解析しました。アクチンフィラメントはDY-554 phalloidin (赤) で染色しました。DRAQ5™ (蛍光性DNA色素) は青色の疑似カラーで示しています。

ステップ3:一次抗体の選択

十分に検証された抗体を使用すると、画像化プロセスがスムーズになります。最終的な画像の生成に先立ってすべての検証作業 (滴定、プロトコールの最適化) を行った場合、最良の結果が得られます。高度なコンテンツ解析ソフトウェアにより生成されたグレースケール画像は、プレートフォーマットにおける抗体強度の比較に有用です (左)。単一または2色画像は、最適に機能する希釈率の決定に用いられます (中央)。これらの解析を最初に行うことにより、最終的に、目的の標的に対する3色の最良な画像を確実に取得できます (右)。

MKN-45細胞 (遠、上) と293T細胞 (右、下) をRAIG1 (D4S7D) XP Rabbit mAb #12968 (緑) を用いて免疫蛍光染色し、共焦点顕微鏡で解析しました。アクチンフィラメントをDyLight 554 Phalloidin #13054 で染色しました。DRAQ5® #4084 を用いてDNAを染色し、青の疑似カラーで示しています。

ステップ4:二次抗体と対比染色

緑の蛍光が視覚的に印象的であるため、CSTは通常、Alexa Fluor 488-conjugated secondary antibodies (または Alexa Fluor 488に直接標識した抗体) を使用して目的の標的を検出します。対比染色やDNA色素を行う際は、目的の抗体のの染色を目立たせて空間的配置を明確にしつつ、目的の染色を邪魔しないものを選ぶ必要があります。

ステップ5:視野とズーム

可能であれば、適度な細胞数が認められる視野を選択して (CSTは3つ以上を目指しています) 抗体の性能を実証します。染色がより不均一な場合、それを実証する視野を確実に選ぶようにしてください。ズームアウトし過ぎている場合は、有糸分裂や接着斑などの特定の細胞内局在を観察することができない場合があります。

あらゆる技術と同様、実践を繰り返すことで完璧になります。蛍光染色実験を多く経験することにより、より快適に、より優れた画像が得られます。目的のものを確認するまでにウェル中のすべての視野を撮影しなければならない場合でも、その努力の価値はあります。蛍光色素分子により良い結果が得られよう、幸運を祈ります!

良好なIFプロトコールが、研究を進めるのにどのように役立つか、詳細を知りたいですか?蛍光イメージングとフローサイトメトリーアッセイを用いた細胞内シグナル伝達イベントの解析の最適化については、以下のビデオをご覧ください:

 

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