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キャリアパス:アカデミアから産業界へ

筆者:Tamar Aprahamian, PhD | Aug 22, 2018

Tamar Aprahamianは、若い科学者が将来どのような職業を選べるかを知る上での良い見本です。彼女は、アカデミアと企業で働き、そして最近、JetPubと呼ばれるサイエンスライターの会社を設立しました。彼女は、今まで私たちのブログにも寄稿してくれています。今回の投稿では、自身のストーリーについて語ってくれることになりました。

あなたはおそらく「What Color is your Parachute? (あなたのパラシュートは何色ですか?) 」というフレーズを聞いたことがあると思います。これは、ある本から引用されたフレーズです。この本は、あなたが誰であり、あなたの人生の価値が何であるかを理解することにより、あなたを天職へと導くためのガイドブックです。私は常に科学、つまり人体の生理的なメカニズムを理解する必要性、および特にこの知識を疾患の治療にどのように応用するか、に魅惑されてきました。私たちはみんな科学者ですが、それでも多くの異なる色の科学のパラシュートを持っています。これは、免疫学者、または血管生物学者であるかについてではなく、どのようなタイプのキャリアがあなたを幸せにし、そしてあなたが花開くことを可能にするのかについてです (学界の研究責任者?業界での首席科学者?法律事務所での特許専門家?医学ライター?それとも起業家?)。

もしあなたが13年前に、新米PhDの私にこの質問をしたならば、起業の道に飛び込んでメディカルライティングのビジネスを立ち上げているなど、まったく想像もしなかったことでしょう!

どのようにして、私は小企業のオーナーにたどり着いたのでしょうか?最初からお話しましょう。

大学院学生としての在学期間中に、私は全身性エリテマトーデスと急速進行型アテローム性動脈硬化の新しいマウスモデルを作製しました。私たちの研究室は主に心血管系疾患を研究していましたが、この新しいマウスモデルを解析するためには、私たちの専門外である免疫学の専門知識が必要でした。このことを通じて私は、疾患の複雑な発病メカニズムを理解するためには、異なる領域の生物学知識を統合することが重要であることを理解しました。また、私がアカデミック・トラックで自身の研究テーマを確立する基盤ともなりました。その時点では私は、にぎやかな研究室を主宰し、助成金の申請書を書き、論文を出版すること以外は考えていませんでした。小さな研究室を立ち上げて独立することは、一つの到達点でした。NIHやその他の財団の競争的資金を獲得し、論文や総説を出版し、学部生や大学院生の卒業論文を指導し、論文の仕事を通じて、学部生と大学院生を指導し、助成金や学術論文のレビュアーとして働き、さらには大学院での講義や試験の採点など、教育活動にも手を出していました。

このような経験を積むことができたのは、望んでいる場所よりも常に一歩先を考えていたためです。「よし、今はポスドクだけれど、助教になるためには何をしなければいけないのだろう?」、「助成金と実験室のスペースは確保したが、次はどうしたら学生を集めて指導できるだろうか?」といった具合です。アカデミアでの仕事のすべての側面について探求しなければなりません。教えること、大学の教職員やコースの指導者、学生達と接触すること。指導者となるためには、医学生、学部生、さらには実験室で働く機会を探している高校生も見つけてください。大学から提供される情報を探し、地元の医学部予科のオフィスを訪問して、たくさんの応募が来るのを待ちます! (学生をインタビューするスキルは、学ぶ価値があるものです。数多くの応募者と話をして、あなたとあなたの新しい研究室に合ったメンバーを見つけてください!)

教員として8年過ごした後で、企業でのエキサイティングなポジションをオファーされました。そこでは自分の今まで身につけたスキルを活かし、更にそれを知的、技術的、そして社会的に広げることができる可能性がありました。スタートアップ企業における前臨床試験のリーダーを務めることで、キーオピニオンリーダー達と接触したり、特許出願の書類の一部を書いたり、今まで経験のなかった疾患の病理学や新しい技術について学ぶために、各方面で競争したりしました。私にとって、癒着不能な骨折のことを調べたり、あるいはなんの予告もなしに、急性肝毒性または創傷治癒の動物モデルの社内検証のための実験を行なったりすることは、楽しい経験でした。

もしあなたが助成金を得ることが難しく、企業は逃げ道だと考えているのならば、そこで状況が改善するという保証は決してありません…。スタートアップ企業や大きな製薬会社で働くことが楽しそうだと考えるのでしたら、自分の専門のネットワークに呼び掛けて、企業の中の異なる仕事の役割について知るための情報インタビューを行なってください。

アカデミアと企業の両方を経験したことで、私は自分の知識基盤を多様な方面に応用することに慣れました。そして、自分自身が容易に変化に適応することができることや、自信や興奮、優れた技量が最も重要であることを学びました。私は、国内外に渡る幅広い協力ネットワークを構築し、世界中で複数の生物学的システムに渡る生産性や創造性を育みました。

私は、協力関係とネットワークを強く支持しています。そして、大学院生の時にそのような考え方に導かれたことを幸運だと思っています。ほとんどの人々にとって、努力を実らせてより大きな成果を得ることは、何にも勝る喜びです。もしあなたがまだ、専門的ネットワークを構築して、実りある共同研究を目指して協調した努力を行うことを始めていないのでしたら、それを行うことを強くおすすめします!

私は、JetPub Scientific Communicationsを2015年に熱意を持って創設しました。この会社は、ライフサイエンス企業やアカデミアに対して戦略的支援と高品質のライティングサービスを提供する会社で、フルタイムの会社へと成長しました。私が研究に携わっていた期間、疾患の新しい治療法を開発するための研究を世界的規模で進展させるために、基礎研究と臨床研究を科学コミュニティーに普及させることが重要であると感じていました。過去3年間のJetPub Scientific Communicationsの自律的成長は、科学者としては目を見張るもので、起業家としては最高にエキサイティングなものでした。私はフルタイムでサイエンスライター、そして企業オーナーとして働けるようになりました。また、顧客の多様なプロジェクトを通じてだけでなく、ビジネスやマーケティングの詳細を学ぶことによっても、私の知識は広がりました。

もしあなたが、自身のビジネスを始めることや、本当の意味での独立とフリーランスを確立することに興味をお持ちでしたら、メディカルライティングの様々な側面を模索し、あなたのネットワークに働きかけて、ボランティアでいろいろなタイプのプロジェクトの執筆を行なってみてください。科学広告のコピーを書くよりも、論文の原稿を書いたり編集したりすることの方が楽しいと感じるかもしれません。あるいは、臨床試験の申請書の作成が適していると感じるかもしれません。 それが何であろうと、探求してください!

私は、アカデミアと企業での全ての経験が、自分の仕事への愛に繋がったと感じています。複数の学問領域に渡るプロジェクト、他の組織や世界中の人々との結びつき、講義、研究室のマネージング。これらの仕事の全てに、物を書くことや創造的な物語を語ることが含まれています。私は、色とりどりの科学的パラシュートを縫い合わせたと言って間違いないでしょう。アカデミアと企業でのすべての経験が、私の人生の価値と組み合わさって自身の基礎を作りました。今、私は幸せを感じています。

あなた方の中には、職業訓練の部署が利用できる人もいるかもしれません。これは、あなたのキャリアのどのステージにおいても、大いに役立ちます。これらのリソースを利用して、いろいろな可能性を探り、自身に最適な道を見つけることをお勧めします。それによって科学コミュニティに貢献し、あなたの研究で最終的には患者を救ってください。

あなたの科学的パラシュートは何色ですか?

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