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研究の成功の種を発展途上国で蒔く

筆者:Claire S | Jul 12, 2017

 

ボストンはRed Soxやベイクドビーンズ、そして特徴のあるアクセントで有名です。また、これは知らない人も多いかもしれませんが科学コミュニティーが存在していることでも有名です。ボストン近郊には何百もの大学、バイオテック企業および製薬会社があります。発展途上国の優秀な科学者に、人生を変えるような研究をしてもらうという使命を持つ非営利団体であるSeeding Labsにとって、これ以上良い地はありません。

Seeding Labsは、地域社会からの支援を得て、世界中の科学者に対して研究室の機器やトレーニング、特定の分野の著名人への橋渡しなど、必要であるけれども手に入れにくいリソースを提供しています。

Seeding Labsとは?

設立者でありCEOも務めるNina Dudnik博士は、ブラウン大学で生化学の学士課程、そしてハーバード大学で分子生物学の博士課程を修了しました。コートジボワールでフルブライトプログラムを終えた後、Seeding Labsを学生グループとして立ち上げました。彼女はアフリカで、アメリカの一般的な研究室の数分の一での予算で研究を行う、素晴らしい科学者と共に仕事をしました。ハーバードに戻った時、新しくて性能がより良い機器が手に入ったため、まだ十分に使える機器が廊下に置かれ、処分されるのを待っているのに目を止めました。アイボリーコーストの科学者は、研究予算を節約するためエッペンドルフチューブを手洗いしていたことに思いをはせ、余剰のリソースを、それを必要とする才能あふれる科学者に送る方法があるはずだと考えました。

Seeding Labsは、24か国にある大学や研究機関に300万ドル以上の機器や奨学金トレーニングプログラムを提供することにより、大きな成功を収めました。実際、彼らはFast Company Magazineの「2015年世界で最も革新的な企業」の非営利団体のカテゴリーで4位に選ばれています。 

Seeding Labsについてより詳しく知るために、Director of Corporate RelationsであるRobert Lillianfeld博士にインタビューしました。

 

これまで最も大変だったことは何ですか?

RL: 世界中に、質の良い機器を求めている、才能のある科学者が多くいることを知り、これまで24の発展途上国にある27の大学に、39回の発送を行いました。しかし、現在は需要が当団体のキャパシティーを超えています。当団体の2016年Instrumental Accessプログラムには、世界中の大学から67の申請がありましたが、2016年にはこれらの大学が必要とする機器の4分の1しか供給できませんでした。現在の最も大きな課題は、支援対象となる科学者の数を増やし続けながら、手元にあるリソースの効果をどのように最大化していくかということです。

 

Seeding Labsが行っていることで最もやりがいのあることは何ですか?

RL: それぞれの人からの話を聞くことほど、やりがいを感じることはありません。私たちには世界中のクリエイティブで能力のある科学者と働くという特権があります。リソースへのアクセスが限られているにも関わらず、利用できるものを活用して「科学を行う」という勇気を持つ人たちです。これまで手の届かなかった機器を提供をすることにより、彼らのキャパシティーを改善することができるのは大変光栄なことです。そして、これらの活動は、彼らが発表する論文、彼らが教鞭をとるコース、そして彼らが教育する学生の中に共鳴し続けるのです。

 

最も誇りに思っていることは何ですか?

RL: これは私の個人的な意見になりますが、その質問に対しNinaだったら多分、ケニヤの国中にある大学の第二薬学部を設立するための支援を行ったこと、または米国内と米国外の研究者の間に確立させた協力体制を挙げると思います。しかし、このほとんどが私が去年Seeding Labsに入社する前に起きたことなのです。もちろん、すごいことだと思います。これらは、私がこのチームに参加したいと思った理由でもあります。しかし、私が個人的に誇りに思っているのは、私たちがどれだけ成長したか、どこに向かっているかということです。設立から2015 年 1月 01 日まで、70トン近くに上る余剰のラボ機器の寄付を受けました。今年だけでも、約25トンの機器をいただいています。これは、普通の大きさの象4頭分の重さに相当する機器が、世界中の科学や技術革新に貢献する2度目の機会を得たことを示しています。来年は、象10頭分を目指します。

ケニヤ西部にあるマシンデ・ムリロ科学技術大学にInstrumental Accessプログラムによる機器が寄贈され、生物学科の26名の教員と学生により再利用されます。地域の居住者の食料の安定化を図る研究を行うJohn Muoma博士は、機器を利用する科学者の1人です。

 

これからSeeding Labsはどんな方向に向かうと思いますか? 

RL: これまで、発展途上国の科学者への機器の提供に専念してきましたが、これは科学上の成長を支援する最初の一歩であると考えています。Instrumental Accessプログラムもこれからも精進し続けていきますが、これに加え世界中の科学者同士を繋げ、それぞれの経験や専門知識を交換しやすい環境を拡大していく所存です。これまでにも素晴らしい交換プログラムを実施してきましたが、提携している海外の大学と共に私たちのキャパシティーと、「科学の世界」の連結をより深める可能性を拡充し続けていきます。

 

他に知っておいてほしいことはありますか?

RL: 当団体が行ってきたこと、つまり当団体が集めた機器すべてを持って大勢の科学者をサポートすることができたのは、すべて当団体を支えてくださる企業や個人の方のご協力のお陰です。当団体で機器を購入することはなく、また発送による利益は全く得ていません。当団体が良い影響を生み出すことができているのは、Cell Signaling Technologyなどの企業からの惜しみない支援と寄付金のお陰です。支援者の皆さんに、当団体を支援していただくことで世界中の人々の命にどれほど大きな影響を与えているかを、是非知っていただきたいと思います。

PCR機器を最新のものと交換したり、使用しなくなったHPLC装置を処分したり、消耗品の倉庫を整頓して必要のないものを処分したりする必要があるときは、置きっぱなしにせずリサイクルすることを考えてください。Cell Signaling Technologyは、2010年よりSeeding Labsと提携しており、電気泳動装置、スターラープレート、ガラス製品などのラボ機器を寄付してきました。これらは南米、カリブ、アフリカ、東南アジアなどの大学の部署で活用されています。

寄付やボランティア活動にご興味のある方は、Seeding Labsのウェブサイトをご覧ください。

 

Robert Lillianfeld博士の経歴:

Robert博士は、Seeding Labsの企業パートナーと提携し、各企業の企業社会責任、売り上げ、およびマーケティング戦略に最も適した寄付やボランティアプログラムを設定しています。この貢献と引き換えに、Seeding LabsはInstrumental Accessプログラムに必要な機器を得ています。

Robert博士は、研究科学者としての経験があるだけでなく、Janis Research Companyのセールスエンジニアとして他の科学者の実験の設定を手伝ってきました。Robert博士は、パデュー大学の客員研究員を務め、またバージニア工科大学で実験物理学の修士課程を修めた後、MITのFrancis Bitter Magnet Laboratoryでポスドク研究員を務めました。

 

Cell Signaling TechnologyとSeeding Labs

企業社会責任への貢献の一環として、CSTは使用しなくなった機器を、それを必要とする科学者たちに寄付し、研究に再利用してもらいます。寄付する機器には、電気泳動装置やウォーターバス、真空ポンプ、サーマルサイクラー、顕微鏡の付属品、フリーザー、インキュベーターなどの必須機器が含まれます。CSTは、Seeding Labsにおけるイットリウム並みの機器寄付者です。 

弊社のCSRへの貢献に関する詳細は、以下をご覧ください。

 

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