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免疫蛍光染色の成功のために:実験コントロール

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免疫蛍光染色の成功、4回シリーズのパート2です。パート1: 検証の重要性 パート3: 実験コントロールパート4: 抗体の希釈とインキュベーション条件をご覧ください。

何ヶ月間にも及ぶ実験を経て免疫蛍光染色 (IF) でテストする段階にたどり着き、抗体を選んでパイロットIF実験を行い (パート1:抗体の重要性をご覧ください)、タンパク質の局在化は妥当であることを確かめました。

しかし、得られたIFデータが実際の生物学的現象を表していることを、どのように確信することができるでしょうか。本ブログでは、2つの実験コントロールをご紹介します。

IFの実験コントロール

実験における変動条件がサンプルの違いのみであること、また、試薬が (抗体を含めて) 予想通りに反応していることを確認するには、適切なコントロールを用意することが重要です。例えば、薬剤処理や細胞外リガンドの添加によりシグナル経路の活性を変化させたサンプルや、遺伝子発現レベルの差が知られているサンプル (ノックアウト、siRNAなど) がコントロールとして用いられます。一般的に、変動サンプルとコントロールの実験は並行して行われ、例えば、固定以降のステップは同時に実施されます。使用するコントロールは、実験の種類によって決まります。

以下のセクションでは、CSTが免疫蛍光染色実験における抗体の性能の評価に使用しているコントロールを紹介します。 それらの一部は、お使いの細胞種でも、染色の特異性確認に役立つかもしれません。

ノックアウト細胞株による特異性の検証

複数のアイソフォームをもつ標的タンパク質を研究している場合は、ノックアウト細胞株を用いたコントロールが有用です。例えば、グリコーゲン合成酵素キナーゼ (GSK-3) のGSK-3αおよびGSK-3βは、それぞれ別のセリン残基で制御されています。IFの実験をする際には、お使いの抗体が認識するアイソフォームが1つなのか、両方なのか、それともどちらのアイソフォームも認識しないのか、知っておきたいと思われるでしょう。

こうしたことは、標的タンパク質の発現が陽性か陰性かがわかっている細胞を使うことで確認することができます。野生型 (GSK-3β陽性)、GSK-3αノックアウト型 (GSK-3β陽性)、およびGSK-3βノックアウト型 (GSK-3β陰性) のマウス胚線維芽細胞 (MEF) の使用により、#12456 GSK-3β (D5C5Z) XP Rabbit mAbが、IFにおいてβアイソフォームのみを特異的に認識することがわかります。 

GSK-3B WBとIF解析

WB解析およびIF解析による#12456 GSK-3β (D5C5Z) XPはRabbit mAbのGSK-3βに対する特異性の検証。左:野生型、GSK-3α(-/-)、そしてGSK-3ß(-/-) MEFからの抽出物のWB解析 :#12456 (上段) および#5676 GSK-3α/ß (D75D3) XP® Rabbit mAb (下段) を使用。右:野生型MEF (左)、GSK-3α (-/-) MEF (中央)、GSK-3β (-/-) MEF (右) の共焦点IF解析:#12456 (緑) で染色。アクチンフィラメントは#13054 DyLightTM 554 Phalloidinで染色。DRAQ5® #4084 (DNA蛍光染色試薬) の染色像を青の疑似カラーで示しています。

リン酸化状態の調節による特異性の確認

リン酸化、アセチル化、ユビキチン化、開裂などといった翻訳後修飾 (PTM) に対して特異的な抗体により、標的タンパク質の生物学的な機能についての重要な情報が得られます。PTMの変化が、発現量や細胞内局在の変化と関連していることもあります。PTM特異的抗体の特異性は、標的タンパク質の活性化状態を調節する酵素、低分子アゴニストや低分子阻害剤を併用することで確認できます。

摂動実験による抗体のPTM特異性の検証。

摂動実験による抗体のPTM特異性の検証。HT-1080細胞の共焦点IF解析:未処理 (左)、プロテアーゼMG-132単独処理 (中央)、MG-132処理に続いてλ-フォスファターゼ処理 (右)。#3300 Phospho-Cyclin D1 (Thr286) (D29B3) XP® Rabbit mAb (緑) で染色。アクチンフィラメントは#13054 DyLightTM 554 Phalloidinで染色。

免疫蛍光染色実験を成功に導く参考事例

免疫蛍光染色を成功させるためのヒントやプロトコールの重要な9つのステップを掲載した免疫蛍光染色を成功させるためのガイドをダウンロードしてください。

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追加リソース:

免疫蛍光染色を成功させるためのさらなるヒントについては、以下のブログをご覧ください。

「免疫蛍光染色の成功のために」シリーズをすべてご覧ください: 

Kenneth Buck, PhD
Kenneth Buck, PhD
細胞生物学を学んだKenは、ラトガース大学で博士号を取得し、その後イェール大学でポスドク研究を行い、再生する神経細胞の細胞運動性に関与する細胞骨格の動態とシグナル伝達機構について学びました。CSTでは、他の科学者と協働してマルチメディアによる科学コミュニケーションを構築しています。ビデオのスクリプトを書いているときや、スタジオにいるとき以外は、Kenの庭ともいえる岩でごつごつしたマサチューセッツ州ノースショアで、同僚と共にマウンテンバイクを乗り回しています。

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