BioPlex：数千のタンパク質の免疫精製から得られた情報を基に作成されたタンパク質相互作用ネットワーク
Steven Gygi博士
ハーバード大学メディカルスクール細胞生物学部教授
タンパク質間の相互作用は、その構造により細胞機能が定められ、その構造があらゆる生物学的的研究に影響を与えています。ハイスループットのアフィニティー精製質量分析を用いて、HEK293T細胞内にある2,594個ものヒトタンパク質の相互作用のパートナーを同定しました。結果として生じるネットワーク (BioPlex) には、7,668個のタンパク質の23,744個の相互作用が含まれており、その86％が未知のものです。BioPlexは既知の複合体を正確に記述し、CORUM複合体の大半で80-100%を網羅しています。ネットワークの構造には以下の4つの主な特色がみられます：1) BioPlexは300超のコミュニティーにさらに分割されており、タンパク質を共有機能で一体化しています。2)同時発生するPfamドメインのうち、2,968の関連が相互作用から予測されます。3)何千ものタンパク質、しかも大半が特性解析されていないものの局在化、生物学的プロセス、分子機能などの属性が決定されました。4) BioPlexにより、生物学的または臨床的な意義のある相互作用が分かります。BioPlexにより可能となった現代の研究を実証するため、家族性筋萎縮性側索硬化症 (ALS) に関与する野生型および変異体VAPBの相互作用について調べました。ネットワークは仮説を立て、タンパク質の機能、機構および活性に合わせてその仮説を精製するためのフレームワークとなります。
このウェビナーでは、以下のことが学習できます。
BioPlex：数千のタンパク質の免疫精製から得られた情報を基に作成されたタンパク質相互作用ネットワーク
他のプロテオミクスに関するビデオは、こちらからご覧になれます。また、オンデマンドで利用できる多様なトピックを取り上げたウェビナーも、ぜひご覧ください。