毎年夏になると、科学コミュニティは、CiteAb社による「前年に最も引用された研究用の上位100抗体」の発表を固唾をのんで待っています。このリストでは、世界中の研究者が、文献発表を想定する研究プロジェクトにおいて、最も信頼できるものとして選択した抗体が示されています。CiteAb社は、300を超えるサプライヤーが提供する約800万種類の抗体と、400万件以上の製品の引用情報をカバーするデータベースのデータマイニングを行い、市場全体の動向や、注目されている研究分野およびアプリケーションの動向に関する知見を提供しています。
CSTは、CiteAb社が毎年発表するこのリストをいつも楽しみにしています。CiteAb社が、最も引用された上位100抗体のリストの発表を開始して以来、弊社はこのリストを席巻し続けています。CST製品は、7年連続でこのリストの30%以上を占めており、これは他のどの競合他社よりも高い数値となっています。
弊社がCiteAb社の最新データを詳細に確認したところ、以下の発見がありました。
CiteAb社が、2016年の上位100抗体リストにCST製品が多く含まれることを紹介して以来、弊社は、毎年このリストに最も多くの製品が掲載されるサプライヤーであることを誇りに思います。CiteAb社の最新の解析では、弊社は2022年に最も引用された上位100抗体のうちの36抗体を提供しており、この地位を維持しています。この数字は、2番目に多く引用された抗体サプライヤーの2倍の値であり、2021年の弊社の実績よりも増加しました。
全体を紹介すると、最も引用された上位10抗体のうち6抗体、上位12抗体のうち8抗体がCST製品であり、上位25抗体の半数以上、上位50抗体のうち23抗体がCST製品です。
さらに、CST抗体は、4年連続で上位3抗体の座を占めています:
弊社は、この功績をとても誇りに思うだけでなく、これほど多くの研究者から信頼されていることに身の引き締まる思いです。弊社は、最高品質の抗体製品を製造することを使命としており、CiteAb社の年間上位100抗体リストを席巻しているのは、弊社がその使命を全うしている証です。専門分野や病態、応用分野を問わず、信頼できる試薬が必要なときに、科学者は常に弊社の抗体を頼りにしています。
CiteAb社のデータをさらに深く掘り下げてみると、新規の研究分野や新しい標的に関連する抗体を製造するという弊社の取り組みがより明確になります。
上位100抗体にランクインしたCSTの36抗体のうち、二次抗体やローディングコントロールなどの汎用性の高い製品はわずか9抗体だけです。残りの27抗体は、多様な研究分野を網羅する一次抗体です。これは、2番目に最も多く製品が引用されたサプライヤーが提供する、専門性の高い製品のおよそ4倍の数です。
「最も多く引用されたCST製品の大半が一次抗体であることから、弊社が汎用性のある補助試薬だけでなく、科学的な発見を可能とすることに熱心に取り組んでいることが分かります。」とバイオファーマストラテジー部門のマーケティングマネージャー (バイオファーマ担当) であるSamuel Jensen博士は述べます。「弊社は、科学者が設立し運営する企業であるため、お客様が研究を進めるために何が必要かを真に理解しています。」
弊社が何年もの間、CiteAb社のリストの大多数を占めるのには理由があります。それは、弊社の厳格な検証の方針とその実践です。CSTは、早い段階で、あるアプリケーションでの性能が、他のアプリケーションでの性能を保証するものではないことに気づいていました。そのため、弊社は、信頼できる試薬の開発に不可欠なアプリケーションごとの検証を、すべての抗体で行っています。
「抗体の検証では、何をどのように検証したかが重要です。そのため、CSTは、すべての抗体を、使用されると思われるすべてのアプリケーションで検証しています。」と、CSTの抗体アプリケーション&バリデーション部門のシニアダイレクターのKatie Crosbyは述べます。「例えば、WBでノックアウトを用いて抗体の特異性を証明しても、IHCやIFでどうなるかは予測できません。弊社が抗体の使用を承認するということは、その抗体が、関連するプロトコールを用いた各アッセイにおける厳格な検証試験に合格したということです。」
CSTは、科学者で構成される企業であるため、抗体の検証を研究プロジェクトと同様に扱います。弊社は、抗体を特定のアプリケーションで試験する方法を計画する際に、あらゆるアッセイにおける抗体の機能や特異性、感度の決定に用いられる6つの補完的な戦略であるHallmarks of Antibody Validation™ (抗体検証における戦略) を遵守します。標的の生物学的役割、使用予定のアプリケーションとプロトコール、適切な試験モデルの利用可能性などの要因に基づいて、これらの戦略のどれを各製品に適用するかを慎重に選択します。弊社は、Hallmarks of Antibody Validationを活用し、最も効果的で適切な実験アプローチを選択して、試験した各アプリケーションにおける抗体の特異性と性能を決定します。このアプローチにより、弊社は、抗体の特異性と再現性のある結果を保証できます。
さらに、検証済みのアプリケーションにおける最高の性能を保証するために、弊社の抗体はすべて製品性能保証の対象となっています。CST抗体を用いる科学者は、目的のアッセイで、抗体が毎回期待通りに機能することを知っています。
2022年の解析結果と共に発表されたCiteAb社のブログにより、2022年のデータは、過去の解析結果と同様にランクインするサプライヤーの広がりを示す一方で、各サプライヤーが提供する製品数に変化がみられ、研究者が引用する抗体とサプライヤーは変動しやすいことを示していることが分かります。また、CiteAb社は注目すべき製品として、上位10抗体に初めてランクインした弊社のPhospho-p44/42 MAPK (Erk1/2) (Thr202/Tyr204) (D13.14.4E) XP® Rabbit mAb #4370、上位100抗体に初めてランクインした弊社のPhospho-Histone H2A.X (Ser139) (20E3) Rabbit mAb #9718およびPhospho-SAPK/JNK (Thr183/Tyr185) (81E11) Rabbit mAb #4668を挙げています。
これらの結果から、弊社が業界最高クラスの製品を開発し続けるためには、変化する研究者のニーズに注意を払い続ける必要があることが分かります。幸いなことに、これは私たちが得意とするところです。例として、弊社の起源である細胞内シグナル伝達を挙げます。CSTの最高経営責任者であり設立者でもあるMichael J. Comb博士が、細胞内シグナル伝達イベントの研究用の、高度に検証済みの抗体が強く求められていることに気づき、1999年に弊社を設立しました。現在に話を戻すと、CiteAb社の最も多く引用された製品リストにランクインした弊社製品の多くは、シグナル伝達の抗体であり、弊社はこの分野における主要な抗体サプライヤーへと成長しました。
また、CST製品を免疫学研究者による探索研究の加速に役立てる方法を発表した後に、CiteAb社のリストに弊社の免疫学研究用の3抗体がランクインしたことは大変意義深いと感じています。
CSTは、これからも科学を前進させるという使命に継続的に取り組み、次回のCiteAb社の上位100に入る製品数がさらに増えるように邁進します。これを実現するためには、さらに多くの時間とリソースを一次抗体のラインナップの成長に費やすことが重要です。
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*CiteAb:"What were the top 100 research antibodies of 2022?" July, 2023. (一般的なローディングコントロールを除く) (2023年のリストは2024年8月に発表される予定です。)