免疫細胞の活性化の解析には、細胞表面マーカーによる表現型解析と組み合わせたリン酸化特異的抗体による細胞内シグナル伝達の測定が理想的な方法です。フローサイトメトリーは単一細胞レベルで事象を測定するユニークな特徴を持っており、中でも「Phospho Flow」は共刺激シグナルやチェックポイント阻害といったプロセスにおける、まれなシグナル伝達事象の同定を可能にします。しかしながら、細胞外領域を認識する抗体と細胞内領域を認識する抗体を組み合わせたフローサイトメトリーのプロトコールには、技術的に解決すべき課題が多いと言われています。
今回取り上げるトピック:
- プロトコールのわずかな変更がフローサイトメトリーの結果にどのように影響するか?
- T細胞活性化および自然免疫に関わるリン酸化特異的抗体のパネルを用いたフローサイトメトリープロトコールの最適化例
- 表現型マーカーとリン酸化特異的細胞内標的のリン酸化とを組み合わせた実験のデザイン方法
- 市販のFix-and-permキットに関する考察