あなたは、抄録の締め切りに直面し、どうやってこの情報の全てを200語以下に凝縮できるのかを自問しながら、キーボードの前で固まってしまったことはありますか?もしこのようなシチュエーションに共感するのでしたら、安心してください。あなたは一人ではありません。効果的な抄録を書くためには学習が必要ですが、ありがたいことに、あなたがそれをやり遂げるための手助けをするいくつかのヒントがあります。
あなたはおそらく、PubMed検索の結果のリスト、学術誌の論文、学会の予稿集など、様々な状況で抄録を読んだことがあるでしょう。このブログ投稿では、学術誌の抄録を準備することに焦点を当ててお話します。まずは、学術誌の抄録の一般的な目的とレイアウトについて簡潔に考察した後に、抄録を苦労せずに準備する方法について段階的にお話ししたいと思います。
抄録の目的
抄録を読む時、読者はそれが論文全体の内容を要約した、独立した文章であることを期待しています。抄録を読めば、論文全部を読まなくても、論文の要点と結論が分かることが要求されます。あなたもきっと、論文全部を読みたいかどうかを判断するために、抄録を使ってきたことと思います。あなた自身が抄録から何を得たいかを考えてください。そうすれば、あなたが抄録を書き始める際の心構えが分かるでしょう。
抄録のレイアウト
抄録のレイアウトを計画する際にまず行うことは、投稿予定の論文の独自の要件を確認することです。多くの雑誌は共通した一般的なレイアウトを採用していますが、あなたが投稿する雑誌の規定を理解しなくてはなりません。例えば、文字数制限、キーワードに関するガイドライン、臨床試験の引用などについて、雑誌ごとに異なる規定があります。
抄録は一般的に、背景、方法、結果、結論という流れで書きます。これらのセクションは、抄録の中でタイトルをつけてもつけなくても構いません。また、出版社によっては「背景」ではなく「イントロダクション」を使用する等の、多少異なるガイドラインがある場合があります。書き始める前に、雑誌の投稿規定を確認してください。これらの略式セクションは、通常それぞれ以下の情報を含みます:
ヒント: 1 - 2文の中で、方法に関するいくつかの単語を、結果に関する単語と組み合わせることで、スペースが節約できる場合もあります。
以下に例を示します:「 (実験的干渉) により (細胞のタイプ) における (生理現象) を (分析のタイプ) で検討したところ、 (その現象に関する興味深い研究結果) を明らかにし、これにより (図に示した解釈または仮説) が示唆された。」
結論のセクションは、研究結果が当初の疑問に関してどのように解明の手掛かりをもたらし、そのトピックに関する既存のデータとどう合致するかを考察します。また結論には、研究の今後の展望を含めることもできますが、通常はそのような内容は本文に含めることが多いです。結論は通常1 - 3文が適切です。
各セクションについて示した文章の数は、一般的なガイドラインであることに注意してください。何度も言うようですが、雑誌の投稿規定を確認してください。
抄録を書くプロセスには、4つの基本的なステップがあります。
1. 開始する
科学者の中には、本文を書き始める前に抄録を書くのが自然だと考える人もいます。まず図や凡例を最初に作成してから、抄録に取りかかりたい人もいます。また科学者の中は、方法と結果から書き始めて、続いてイントロダクションと結論を作成し、最後に抄録を作成する人もいます。
あなたが抄録を最後に書くのであれば、まずあなたの論文の本文全体を読んでください。理想的には、論文の本文を書き終えてから、抄録のためにそれを読み直すまでの間に、少し時間を置くのが良いです。本文を読みながら、抄録の各パートに必要となる重要な情報を抽出してください。このようなアプローチを取ることにより、あなたが論文の本文を書いている時に、何が強調すべき重要なポイントであるかに注力しやすくなります。
論文に載せるデータの大部分が、ポスターまたは口演 (例えば学会など) で発表されていれば、その際の抄録を元にして始めることもできます。しかし、ポスターと出版物とでは読者層が違うため、必ずこのことを念頭に置くようにしてください (下記を参照)。
2. 大まかな下書きを書く
抽出した情報を使って、抄録の各パートを書いてください。ただコピー・ペーストをするのではなく、各パートについて、情報を組み合わせて簡潔にまとめるようにしてください。書きながら改訂はしないでください!まず執筆を行い、後で改訂を行います。
書く際に、抄録が示さなければならない以下のポイントに注意してください:
最後の点についてですが、通常は雑誌の「著者へのインストラクション」の中で、読者に関する情報を見つけることができます。読者層は、特定の分野の専門家でしょうか、それとも幅広い分野に渡る人たちでしょうか?基礎科学、臨床、トランスレーショナルリサーチのどの分野の人たちでしょうか?抄録を適切にカスタマイズすることは、インパクトを最も効果的に与えることにつながります。そして、(理論的には) レビュアーはその雑誌の読者の代表者であるので、読者層を明確にすることは、アクセプトのチャンスを高めることにもつながります!
3. 下書きを読み直して改訂する
大まかな下書きを終了したら、再び少し時間を置き、原稿を読み直して改訂を行います。それぞれのセクションを改訂した後、抄録全体の流れと完全性について確認します。読み直しと改訂の際には、以下のポイントに気をつけてください:
改訂の後で、もう一度少し時間を置いて、最後の読み直しを行います。
4. 抄録最終版の校正
必ず、誰かに最終版の校正をしてもらってください。文章が上手な人であれば、同僚でも友人でも構いません。企業や大学の学部によっては、原稿の最終チェックをするために、プロの校正者がいる場合もありますので、そうした選択肢があるかどうかも確認してください。
このような段階を踏んだプロセスは、抄録を書く際にあなたが感じる不安を軽減させる手助けをします。また、あなたの抄録が出版社の要件を満たし、読者が必要とする情報を確実に提供できるようにします。
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