ラボでお仕事をされている皆さんならすでにご存じかもしれませんが、ラボでは普通のオフィスビルの5倍の量の水が使われています。
逆浸透脱イオン (RODI) からガラス洗浄設備やシンクフラッシングプロトコールの必要性、さらには単なる日々の実験まで、塵も積もれば山となります。このような水の消費の多いラボでの慣習に加え、カフェテリア、トイレ、造園用の灌漑など通常の職場での水の利用もあります。
南アフリカや中東など世界での水不足、ヒマラヤ氷河の溶解、カリフォルニアでの節水規制どころか、弊社の本社近くにあるイプスイッチ川の水量が減っていることを聞いても、水の節約を優先事項とする米国企業はあまりありません。環境の外部効果から見れば、水利用のコストが高いのは確かであり、厳密に金銭的な意味においては、米国における水は非常に安価であると言えます。経理の観点から見れば、水自体の直接的な料金は非常に安いことが多く、実際にコストを押し上げているのは廃水・下水の料金なのです。
先日、Cell Signaling Technologyは、パリCOP21気候協定に従い気候変動目標を発表しました。公益事業会社とエネルギー供給者は、消費者が天然ガスや電気使用を抑制すれば報奨金を提供しますが、水を節約した場合の報奨金はそれに比べると程遠いものです。このような種類の補助金は、実用的な節約方法の実施に役立ちます。とは言うものの、財政上のメリットがあるという理由だけでなく、地球上の気候が今後ますます乾燥したものとなっていくと予測される中で、水の保全はまさに正しい行いであると言えます。
過去20年間にわたり、当社は、科学研究に対して持続的で意義のある影響をもたらすことだけでなく、それを持続可能性のある、倫理的なやり方で行うことをミッションとしてきています。CSTの長期目標は、当社による水使用を20%削減することです。皆さんの所属する組織にも同様の目標を掲げてほしいと願っています。以下に、当社がこの目標を達成するために実践していることの例を挙げます。皆さんのラボでも行えることがあれば幸いです:
外部の灌漑の一部とアトリウム庭園には、RODIシステムから水を再利用しています。