1回の実験で複数の抗体を使うことにより、研究者は非常に有用な情報を得ることができます。複数の抗体と細胞内小器官などの染色用色素を用いた共染色は、簡単かつ負担の少ないマルチプレックス解析の1つです。細胞や組織におけるマルチプレックス解析技術は、一般的な細胞生物学研究だけでなく、診断目的にも適用可能な、強力な研究ツールです。これらの技術により、サンプルを複数のバイオマーカーで評価することができます。また、標的間の関連性を決定するための共局在性の解析を、簡単に行うことができます。
本ブログでは、同一のアッセイ内で、複数の抗体を用いた免疫蛍光染色 (IF) を行うための、2つの一般的な手法をご紹介します。
以下は、異なる宿主種抗体 (例えば、ラビットとマウス) を用いた間接IFの一般的なプロトコールの概要です。実際のプロトコールは、特定の製品に推奨されるプロトコールによって異なりますのでご注意ください。
IF染色の間接検出法および異なる宿主種の抗体を用いる利点と欠点は以下の通りです:
左:SNB19細胞をα-Parvin (D7F9) XP®Rabbit mAb #8190で染色しAnti-rabbit IgG (H+L), F(ab')2 Fragment (Alexa Fluor® 488 Conjugate) #4412 (緑) で検出、また、Lamin A/C (4C11) Mouse mAb #4777で染色しAnti-mouse IgG (H+L), F(ab')2 Fragment (Alexa Fluor® 555 Conjugate) #4409 (赤) で検出、さらにDRAQ5® #4084 (青の疑似カラー) で染色しました。
中央:MCF-7細胞をAIF (D39D2) XP® Rabbit mAb #5318 で染色しAnti-rabbit IgG (H+L)、F(ab')2 Fragment (Alexa Fluor® 488 Conjugate) #4412 (緑) で検出、またEpCAM (VU1D9) Mouse mAb #2929、Anti-mouse IgG (H+L), F(ab')2 Fragment (Alexa Fluor® 555 Conjugate) #4409 (赤) で検出し、さらにDRAQ5® #4084 (青の疑似カラー) で染色しました。
右:MCF-7細胞をCaveolin-1 (D46G3) XP® Rabbit mAb #3267 を用いて染色しAnti-rabbit IgG (H+L)、F(ab')2 Fragment (Alexa Fluor® 488 Conjugate) #4412 (緑) で検出、またKi-67 (8D5) Mouse mAb #9449で染色しAnti-mouse IgG (H+L), F(ab')2 Fragment (Alexa Fluor® 555 Conjugate) #4409 (赤) で検出、さらにDRAQ5® #4084 (青の疑似カラー) で染色しました。
以下は、異なる蛍光色素により直接標識された抗体を用いた直接IFの一般的なプロトコールの概要です。実際のプロトコールは、特定の製品に推奨されるプロトコールによって異なりますのでご注意ください。
異なる蛍光色素で標識された抗体を用いた直接免疫蛍光染色法の利点と欠点は以下の通りです: