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責任ある科学:エピソード5 – 次世代

筆者:Chris Sumner | Jun 20, 2018

Science誌と提携し、Disruptと共に再現性の危機が叫ばれる中「責任ある科学」が意味することを探る5回シリーズのポッドキャストをお送りします。

「Responsible Science」シリーズ最終回では、科学をより良く、より責任のあるものにしようと取り組んでいる、アカデミアの階段を上り続ける最も刺激的なイノベーターとお話しします。

3人のアカデミア起業家との対談です。

 

私たちは、研究資金を得ようとする中での誠実さとリアリズム、研究結果の大げさな表現を取り巻く問題について話しました。

Ali:「科学研究の最終目標がどこにあるのかを見据えると、それは私たちの生活に革命をもたらすであろう未来の製品や技術の基盤となり得るものだと言えます。もしそうでないなら、研究を行うために申請書を書くべきではありません。研究結果を公表するために研究するのが好きだという人もおり、そうした人はそのサイクルを繰り返します。私は、その研究がもたらし得る成果が現実的であることが本当に重要だと思います。」

また、査読プロセスにより多くの若手研究者の参加を促す方法についても話し合いました。

Daniela:「査読は非常に重要なもののひとつで、科学者としてある上でも最も重要な役割のひとつです。求められているのは、もっと多くのシニアレベルのポスドク研究員が査読に参加できるようになることだと思います。ただ、査読が研究者の務めのひとつとなることが期待されているものの、そのために必要な訓練を受けているとは言えない状況です。さらにキャリアの初期段階にある研究者は非常に多様性に富んでおり、これがあらゆる面で役に立つものと信じています。この多様性をフィードバックとして取り入れることができれば、論文著者のコミュニケーションの評価が改善されると思います。キャリアの初期段階にある研究者によって行われた査読がより良いものとは言えないものの、より詳細で建設的であるとの調査報告もあります。」

最後に、Chrisが、事前登録とモジュール式のリサーチコミュニケーションツールを通じて、アカデミアの出版の世界を「改善」する取り組みを紹介してくれました。

Chris:「現在、研究成果を公表しようとする場合、研究サイクルの様々なピースを全て完成させてから、コードやデータとしておさめた論文にまとめようとします。しかし、私たちはこのプロセスを再構築しようと試みています。たとえば、より小さなモジュールで継続的にコミュニケーションを行うとしたら、研究サイクルの様々な事柄がコミュニケーションプロセスに取り込まれます。私たちはこれをツールへの事前登録という形で実施しています。このツールでは、実際にデータを取る前に予想・仮説を提唱した上で、実験に進みます。そしてこれをすでに構築された原則としてコミュニケーションプロセスに取り入れることにより、コミュニティーメンバーから多くの示唆を得られるなど科学的に多くの利益を得ることができます。」

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これで「責任ある科学」に関するポッドキャストシリーズを終わります。様々な角度から科学をより良くするためにはどうしたら良いか議論してきましたが、単純な答えはないというのが答えだということに気づきました。しかし、様々な方法を検討し、小さいながらも実行可能な変更を考え出すことが、より良く、より早く、より強く、科学を前進させるのだと思います。

 

「責任ある科学」の全シリーズはこちら:

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