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免疫蛍光染色の成功のために:検証の重要性 | CSTブログ

筆者:Kenneth Buck, PhD | Mar 1, 2017

免疫蛍光染色を成功させるための4つのシリーズのパート1です。パート2:実験コントロールパート3:固定化と透過化パート4:抗体の希釈とインキュベーション条件をご覧ください。

何ヶ月間にも及ぶ実験を経て免疫蛍光染色 (IF) でテストする段階にたどり着き、決断を行うときが来ました。信頼できるIFの結果を得るために使用する抗体はどのように決めれば良いでしょうか。また、標的の局在が正しいのかを知るにはどのようにすれば良いでしょうか?本ブログでは、これらの選択・疑問に関し、考慮すべきいくつかの点をご紹介します。

IFの結果の誤認を防ぐための特異性の検証

一次抗体はIF実験にとって非常に重要で、そのパフォーマンスはデータの質に直接影響を及ぼします。ウェスタンブロット (WB) 特異的なバンドが検出されたからといって、選択した抗体がIFにおいて優れたフォーマンスを発揮するとは限りません。WBではタンパク質が強い還元/変性状態におかれて構造が変化しますが、IFではタンパク質の立体構造が本来の状態のまま残ります。そのため、WBで使用可能な抗体のエピトープが、IFでは埋没してしまったり、認識されない可能性があります。

CSTがIF用抗体の検証をどのように行っているかについては、免疫蛍光染色リソースセンターで詳しく説明しています。

IFに特化した検証が、正確な結果を得るために重要であることを説明するために、IF用に検証されたCST®抗体と、他社のIFアプリケーションに使用するために販売されている、WBでのみ検証された検証済み抗体と比較した結果を示します。

α-Synuclein AntibodyのIF検証

α-Synucleinは脳で高発現するタンパク質であり、このタンパク質の機能不全はパーキンソン病などの神経変性疾患の原因となります。正常組織では、α-Synucleinはシナプス前終末に局在してシナプス小胞と結合していると考えられています。

CSTは、α-Synuclein (D37A6) XP®Rabbit mAb #4179と他社のα-Synuclein抗体を、それぞれのメーカーが推奨している希釈率で比較しました。どちらの抗体も、WBでは予想通りの性能を発揮しました (図1、左)。IFにおいて (図1、右)、CSTの#4179ではα-Synucleinのシナプス前局在と一致する点状の染色が中脳部分に認められましたが、他社の抗体では点状のパターンは少なく、明らかに誤りと思われる核または細胞体への局在が認められました (図1、右下の矢印)。

図1:「きれいな」WBバンドは必ずしもIF解析における抗体のパフォーマンスと信頼性を保証するものではありません。左:α-Synuclein (D37A6) XP® Rabbit mAb #4179または他社製のα-Synuclein抗体を用いたマウスおよびラットの脳からの抽出物のWB解析。右:共焦点IF解析 (#4179 (上段) または他社抗体 (下段) を用いたマウス下部中脳・海馬切片の解析)。他社抗体でα-Synucleinとして誤って染色された神経細胞/核を白い矢印で表示。


こうした実験結果から、アプリケーションに特異的な検証が重要であることがわかります。 

免疫蛍光染色実験を成功に導く参考事例

IFのコントロールの設計、固定化と透過化に関する考慮事項、抗体のインキュベーション条件など、免疫蛍光染色を成功させるシリーズの続きをご覧ください:

IFを成功させるためのヒントやプロトコールの重要な9つのステップを掲載した免疫蛍光染色を成功させるためのガイドも併せてご参照ください。

 

追加リソース:

免疫蛍光染色を成功させるためのさらなるヒントについては、以下のブログをご覧ください。

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