助成金に応募しようと考えていますか?あるいは指導者から、助成金への応募を勧められていますか?そのような場合、何から始めたら良いのでしょうか?
すでに助成金の応募先が決まっていますか? 例えば、K01:Research Scientist Development Award、K08:Clinical Investigator Award、NIH Research Project Grant Program (R01)、NSF Graduate Research Fellowship Program (GRFP) Fellowship、またはAmerican Heart Associationなど。 その場合は、問題ありません!もしまだ応募先が決まっていない場合は、国または民間の財団から提供されるものを含め、適切な助成金がどこであるかを検討する必要があります。
次に、助成金の申請書は、単なる研究提案書ではありませんので、必要な書類や締め切りなどのチェックリストを作成する必要があります。これらは、略歴、推薦書、所属機関で必要となる書類、所属機関内でのレビューなどを含みます。 (通常は、実際の助成金の締め切り前に、所属機関内での締め切りが設定されています。) 申請の準備という大きな仕事を、貴重な時間を割いて手助けしてくれる人たちのことを考え、彼らに感謝し、説明責任を果たす必要があります。レビュアーは、あなたが適切な支援、研究環境や設備、提案研究をやり遂げるためのチームメイトを持っているかを考慮します。すなわち、研究内容だけでなく、助成金に関わる全ての要因を重視する必要があります。
申請書全体を作成するために必要な時間を、慎重に見積ります。それができたら、まずは研究目的のページに取り掛かりましょう。あなたが、今まさに助成金の申請書に取り掛かろうとしている段階であれば、申請書の最も重要な部分が研究目的のページであることは、すでに耳にしたことがあるはずです。研究目的は、研究提案全体の基礎となり、ほとんどの場合、レビュアーの印象を大きく左右します。
研究目的のページは、一般的に4つのセクションから成り、以下に要約されます。
具体的な研究目的を記載するパラグラフでは、(以下の順序で)次のことを伝えなければなりません:
次のパラグラフでは、関連する幅広い事項の説明から始まり、提案研究の焦点へと絞り込んで行く情報を記載します。このパラグラフでは、以下のことを明確に記述しなければなりません:
それでは、具体的な目標をリストアップしましょう。ここでの記載は、説明的であったり、目的同士がお互いに依存するものであったり、過度に野心的なものではいけません。たとえば以下の文章をご覧ください:
上の表現は以下のように書き換えると、より良いものとなります:
それぞれの目的は、研究の中心的な仮説を導くための、作業仮説に沿ったものでなければなりません。また、実験方法や予想される結果についても簡潔に記載しなければなりません。
最後に、期待される結果のパラグラフを記載します。これは期待される結果と同時に、研究分野に与えるポジティブな影響を記載しなければなりません。例えば:
もし可能であれば、提案の概要を図で示すことも、レビュアーの理解を深めるために有用です。レビュアーは、あなたの申請書と同様に綿密に作成された申請書を10本も読むことになるということを頭に入れてください。もしも、レビュアーがあなたの研究目的が合格レベルに達していると判断しなかった場合には、申請書全体のレビューが後回しにされてしまいます。そのため、第一ページ目の研究目的から、読みやすく良い印象を与えることが非常に大切です。
自身で納得のできるドラフトができたら、研究目的のページを、可能な限り多くの指導者と同僚に見てもらい、批評してもらうことが極めて重要です。この批評にかかる時間や書き直しにかかる時間も、必ずタイムラインに組み込んでおいてください!
ある賢明な教授は、17回のドラフトを作成しない限り研究目的のページは完成されない、と述べたことがあります。実際に17回必要かどうかはともかくとして、説得力のある研究目的のページを作成し、助成金を得るためのチャンスをできる限り大きくするためには、このくらいの努力を必要とします。このような知識を身につけた上で、さあ書き始めましょう!
キャリアに関するアドバイスや、科学的なコツやヒントはCell Mentorポータルでもご覧いただけます。
申請書の記入例は、国立アレルギー感染病研究所 (National Institute of Allergy and Infectious Diseases) から提供されています。これは、どのような申請書が助成金を得ることができたかを知るのに良い例となります!