CSTブログ: Lab Expectations

Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験中に起こると予測される事象や実験のヒント、コツ、情報などを紹介します。

またしてもCSTはCiteAb社の最も引用された研究用抗体リストを独占

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何年にもわたり、CST抗体は世界中の科学者により最も引用される研究用試薬であり続けています。なぜ、それが分かるのでしょうか?CiteAb社が毎年発表する研究用試薬の上位100製品リストには、340社の企業が提供する850万種類以上の製品や、300万件以上の製品の引用状況を解析したデータをもとに決定した、最も引用された上位100抗体が掲載されています。その結果、研究者が論文の投稿を想定した研究プロジェクトで最も信頼している抗体 (および抗体サプライヤー) が、データとして導き出されます。

この解析は毎年行われており、今年で8年目となりますが、CST抗体は毎回リストの3分の1以上、さらに上位リストの多くを占めています。今年のリストには、12社のサプライヤーの製品が掲載されていますが、100抗体のうちの35抗体がCST製品であることは快挙と言えます。

CiteAbが引用したリストには、今までにないほどの他社製品よりもCSTの抗体が多数掲載されています。

弊社は、CiteAb社が「最も引用された研究用試薬」の発表を開始した当初からリストをチェックしていますが、ふと疑問に思いました。これまでに最も引用された抗体はどの抗体でしょうか?本ブログ記事では、その答えと2023年のCiteAb社のデータの詳細を紹介します。

5年連続で最も引用された上位3抗体を独占

CiteAb社の解析から、CST抗体は、研究者が論文の投稿を想定した研究プロジェクトで最もよく使用する試薬であることが分かります。なぜなら、弊社の抗体は、5年連続で上位3抗体を独占しているからです: 

  1. 二次抗体:Anti-rabbit IgG, HRP-linked Antibody #7074
  2. 二次抗体:Anti-mouse IgG, HRP-linked Antibody #7076
  3. 一次抗体:Phospho-Akt (Ser473) (D9E) XP® Rabbit mAb #4060

さらにリストの下を確認すると、上位40抗体のうちの半分がCST製品です。これは、2位の企業の3倍に近い数字であり、上位40抗体に含まれる彼らの製品はわずか7抗体のみです。

CiteAbによると、2023年に最も多く引用された研究用抗体トップ20のうち、半数がCST社製です。
CiteAbによると、2023年に最も多く引用された研究用抗体トップ100のうち、3分の一がCST社製です。
最も引用された研究用抗体3抗体は、CSTの抗体

弊社は、多くの研究者から信頼されていることを誇りに思うとともに、弊社抗体が数多くの論文発表に値する発見に貢献したことを大変嬉しく思います。弊社が、抗体の検証に真摯に取り組んでいることは周知の事実であり、一貫性のある製品性能と厳密な検証にこだわるこの姿勢こそが、他社とは一線を画す存在へと導いていると信じています。CST抗体がCiteAb社のリストを独占し続けていることから、これらの努力には時間とエネルギーを注ぐ価値があることが分かります。

2023年に最も多く引用された研究用抗体の35%はCST抗体で、Thermo Fisher Scientific、Abcam、MilliporeSigma、Proteintechを上回っています。

一次抗体の上位10抗体のうち9抗体がCST製品

CiteAb社のデータを見ると、リストに含まれる製品の3分の2以上が、二次抗体や一般的なローディングコントロール抗体、タグ抗体などのサポート試薬であるこが分かります。これらの試薬は、実験デザインやデータの解釈において重要な役割を果たしますが、通常は、目的とする生物学的な疑問の答えの取得には直接関与しません。しかし、これらの試薬はあらゆる実験に用いられるため、このリストに含まれていても不思議ではありません。 

一方、基礎となる生物学の調査に役立つ標的に対する一次抗体、すなわち、細胞プロセスを解明し、疾患の影響を決定するのに役立つ一次抗体は、科学的発見の真の原動力となります。今回発表されたリストでは、発見を促す一次抗体として分類できる33抗体のうちの25抗体がCST製品であり、これは2位の企業の4倍以上です。 

CiteAb社が2023年に発表した、最も引用された上位100抗体のリストからサポート試薬を除いたものがこちらです:

 

最も引用された一次抗体

 
1 Phospho-Akt (Ser473) (D9E) XP® Rabbit mAb #4060 Cell Signaling Technology
2 Cleaved Caspase-3 (Asp175) Antibody #9661 Cell Signaling Technology
3 Phospho-p44/42 MAPK (Erk1/2) (Thr202/Tyr204) (D13.14.4E) XP® Rabbit mAb #4370 Cell Signaling Technology
4 Phospho-NF-κB p65 (Ser536) (93H1) Rabbit mAb #3033 Cell Signaling Technology
5 Akt Antibody #9272 Cell Signaling Technology
6 p44/42 MAPK (Erk1/2) (137F5) Rabbit mAb #4695 Cell Signaling Technology
7 NF-κB p65 (D14E12) XP® Rabbit mAb #8242 Cell Signaling Technology
8 Cleaved Caspase-3 (Asp175) (5A1E) Rabbit mAb #9664 Cell Signaling Technology
9 Anti-Ki67 antibody (ab15580) Abcam
10 Phospho-p44/42 MAPK (Erk1/2) (Thr202/Tyr204) Antibody #9101 Cell Signaling Technology
11 Akt (pan) (C67E7) Rabbit mAb #4691 Cell Signaling Technology
12 Anti-Ki67 antibody [SP6] ab16667 Abcam
13 p44/42 MAPK (Erk1/2) Antibody #9102 Cell Signaling Technology
14 Anti-NeuN Antibody, clone A60 MAB377 MilliporeSigma
15 Caspase-3 Antibody #9662 Cell Signaling Technology
16 Phospho-Akt (Ser473) Antibody #9271 Cell Signaling Technology
17 Phospho-Stat3 (Tyr705) (D3A7) XP® Rabbit mAb #9145 Cell Signaling Technology
18 Phospho-p38 MAPK (Thr180/Tyr182) (D3F9) XP® Rabbit mAb #4511 Cell Signaling Technology
19 Phospho-AMPKα (Thr172) (40H9) Rabbit mAb #2535 Cell Signaling Technology
20 Vimentin (D21H3) XP® Rabbit mAb #5741 Cell Signaling Technology

表1:CiteAb社が発表した2023年の研究用試薬の上位100抗体リストをベースに作成した、一般的なローディングコントロール抗体やタグ抗体を含まない2023年の最も引用された一次抗体リストです。

「CiteAb社のリストの上位にランクインしている抗体を見て、その抗体でどのような研究が行われているかを想像するのはとても楽しいものです。」と、CSTの医薬品戦略部門のアソシエイトダイレクターであるSamuel Jensen博士は述べます。「このリストに含まれるCST一次抗体の多くは、リン酸化されたタンパク質または切断されたタンパク質を認識するものであり、通常は、重大な生物学的イベントを検出し、特定の細胞プロセスや細胞状態の変化を読み取るために使用されます。これらの抗体は、いわば 「ショーの主役 」であり、複雑な生物学的プロセスの解明に真に役立ち、生命を救う治療薬につながるものです。」 

CiteAbによると、2023年に最も多く引用された研究用抗体トップ10のうち、9がCST社製です。

また、CST抗体であるVimentin (D21H3) XP® Rabbit mAb #5741E-Cadherin (24E10) Rabbit mAb #3195は、どちらも上位100抗体に含まれていますが、これらの抗体は細胞の状態を判断するために使用されることもあり、特に、がん細胞の転移マーカーを確認するために必要です。

これまでに最も引用された抗体

では、本ブログの初めに紹介した疑問「これまでに最も引用された抗体はどの抗体でしょうか?」に戻ります。CSTのAnti-rabbit IgG, HRP-linked Antibody #7074を想像した方は、正解です!この二次抗体は、7年にわたり世界中で最も引用された抗体であり続けており、2023年の段階で合計16,000件以上引用されています。 

では、これまでに最も引用された一次抗体はどの抗体でしょうか?もちろん、CSTが提供するPhospho-Akt (Ser473) (D9E) XP® Rabbit mAb #4060であり、この抗体はこの7年間、2位または3位を獲得し続けており、11,000件以上の被引用件数を誇っています。

抗体試薬市場の今後の動向

25年前にCSTが創設された頃は、シグナル伝達の研究には放射性同位元素の32Pを付加したATPが使用されており、この重要な分野の研究は遅々として進みませんでした。しかし、CSTは、翻訳後修飾 (PTM) 研究用の抗体技術にアクセスするために必要なコストと労力を劇的に削減することにより、この研究分野に革新をもたらし、研究の新時代を切り開く一助を担いました。

ブログ:CST 25周年記念:抗体と革新を支え続けた四半世紀

弊社は現在 、幅広い研究分野に関連する13,500以上の厳密に検証された抗体と高品質な試薬を提供しており、1抗体あたりの被引用件数がどの他社よりも多いことを誇りに思います。

弊社は、科学を発展させるという使命を果たすため、この成功をさらに積み重ね、次のCiteAb社の上位100抗体リストではさらに大きなシェアを獲得するつもりです。そのためにも、 一次抗体の製品ラインナップの拡大にさらなる時間とリソースを投資する予定です。

Alexandra Foley
Alexandra Foley
Alexandraは、CSTのサイエンティフィックマーケティングライターであり、Lab Expectationのエディターです。

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