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Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験中に起こると予測される事象や実験のヒント、コツ、情報などを紹介します。

細胞の分類とタンパク質の局在を同定するツール

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細胞の分類とタンパク質の局在の2つは、実際には異なる問題で、異なるアプリケーションを利用して解決します。

細胞の分類では、特定のマーカーを利用して不均一な集団の中から特定のタイプの細胞を識別します。例えば、ミクログリア細胞が損傷したニューロンを除去するメカニズムを解明したい場合、Iba1CD11bTMEM119などのマーカーを用いてサンプルがミクログリア細胞だけで構成されていることを確認することができます。こうすることで、サンプルに他のタイプの脳細胞が混入してデータに偏りが生じる危険性を抑えることができます。同様に、幹細胞を用いて分化経路の解析をしたい場合、SoxOct4 Nanogなどの幹細胞マーカーの発現を調べることで、サンプルに予期しない分化が起こっていないことを定期的に確認することができます。細胞の分類を行うことで、誤った細胞を用いたり、クロスコンタミネーションが起こった細胞で実験することを防ぐことができます。

 

混合サンプル中の細胞はどのように分類したら良いでしょうか?フローサイトメトリーは単一細胞レベルのデータが得られるため、このような状況に最適なアプリケーションとなります。細胞内や細胞表面に存在するマーカーを利用して細胞を分類することができます。これらの抗体は、細胞を単独で染色することも、マルチプレックスパネルに組み込んで多重染色に使用することもできますが、様々なサンプル調製法に対する標識抗体の適合性を理解する必要があります。多重染色する場合は、異なる蛍光色素で標識した、目的の細胞マーカーに特異的な一次抗体を用います。細胞を染色した後、FACS (Fluorescence activated cell sorting:蛍光活性化細胞選別) を用いて生細胞からマーカープロファイルに基づいて細胞集団を選別し、その後の実験に使用する、精製された均一な細胞集団を単離することができます。

 

これに対してタンパク質の局在では、ある時、あるタンパク質が細胞や組織内のどこに存在しているかを調べます。STATファミリーのように活性化すると核に移行するタンパク質の場合は、ある条件における活性/不活性の状態をタンパク質の局在から知ることができます。免疫蛍光染色 (IF) や免疫組織化学染色 (IHC) は、タンパク質がどの細胞内区画に局在するかを正確に可視化できるので、この種の実験に最もよく利用されるアプリケーションです。目的のタンパク質に特異的な抗体と、細胞内区画に特異的な抗体や色素を組み合わせて使用することで、ある時にタンパク質が細胞内のどこに存在するのかを正確に知ることができます。

標的タンパク質が細胞タイプによって異なる細胞内区画に存在するため、タンパク質の局在化を決定する前に、まず細胞を分類する必要がある場合にはどうしたら良いでしょうか?こうした状況にある場合は、適切なマーカーを用いてフローサイトメトリー/FACsで特定の細胞タイプを収集し、次に、IHC/IF実験でその細胞集団のどこに標的タンパク質が局在化しているかをつきとめる方法があります。細胞の分類に、CSTの免疫細胞マーカーガイド (ヒト)免疫細胞マーカーガイド (マウス)神経細胞マーカーとグリア細胞マーカー経路幹細胞&分化系列マーカーのパスウェイ図をご活用ください!

Andrea Tu, PhD
Andrea Tu, PhD
Kallidus社グループのScientific Marketing ManagerであるAndrea Tu博士は、最新の科学的動向や開発の知識を得るのに夢中です。博士は、カリフォルニア大学バークレー校で分子細胞生物学の博士号を取得し、TGF-βシグナル伝達経路におけるSmadの翻訳後修飾について研究しました。Andrea博士は、カリフォルニア大学サンディエゴ校、ソーク研究所、スタンフォード大学、Agilent Technologies社、Bio-Techne社で20年にわたり、研究開発、営業サポート、マーケティングなどの技術職に携わってきました。

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