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2種の染色のお話:Ponceau SとCoomassie Blue

あなたは今、細胞ライセートのサンプルのSDS-PAGEを終えました。これでタンパク質は分子量に応じて分離されたので、あとはメンブレンに転写してウェスタンブロットで検出するだけです。本当にそうでしょうか?

20-CEP-12845 Ponceau Staining

ウェスタンブロッティングの全行程を終えた後、予想される位置にバンドがみられない場合、抗体のトラブルシューティングが必要なこともありますが、電気泳動と転写のステップのトラブルシューティングが必要な場合もあります。この場合、Ponceau SやCoomassieで総タンパク質を染色し、可視化するのが有効な手段となります。

Ponceau S Staining Solutionや、Coomassie Brilliant Blueによる染色で、電気泳動後、タンパク質の転写を可視化することができます。これらはタンパク質の転写と、標的タンパク質の存在を確認するために重要で、実験の時間と貴重なリソースを節約することができます。また、これらによって転写が不完全な場合 (気泡や転写のムラなど) にも気付くことができます。これは論文に掲載できる品質のデータを目指す上で重要です。

Ponceau S、Coomassie Brilliant Blue染色液はいずれも、負に荷電した溶液で、正に荷電したアミノ酸基と非極性タンパク質領域に結合します。Ponceau Sは、200 ng以上のタンパク質レベルを検出することができ、PVDF、ニトロセルロース、またはナイロンメンブレンに使用できます。従来型のCoomassie Brilliant Blueは、PVDFメンブレンのみに使用できますが、50 ng以上のタンパク質レベルを検出することができます。サンプルのタイプや実験の目的によっては、より高感度の染色が重要になることがあります。しかし、Coomassie Brilliant Blue溶液を使用する場合は、溶液中のアルコールや酸がタンパク質サンプルをゲルに固定してしまうため、そこから改めてウェスタンブロットによる解析を続けることができなくなります。

Coomassie Brilliant Blue染色液にはいくつかの種類があります。製造元や溶液の種類によってプロトコールがわずかに異なり、2時間から丸一日かかります。最も一般的に利用されているCoomassie Blue G-250の場合は、次のように使用します。タンパク質を転写した後、ポリアクリルアミドゲルをddH2Oで3回洗浄します。ポリアクリルアミドゲルに少なくとも25 mL (ゲルが覆われるまで) の染色液を加えます。染色液を加えたゲルをシェーカーの上に置き、ゲルが容器に付着しないようにゆっくりと震盪します。染色時間は、ゲルの厚さとアクリルアミドの濃度によって異なります。ゲルが均一に青色に染まるまで2時間以上かかります。ゲルが染色された後、ゲルをddH2Oで洗浄します。穏やかに1 - 2時間震盪し、その間にddH2Oを数回交換して余剰な遊離色素を除きます。

Ponceau S染色プロトコールには20分間かかります。これは毒性がなく、Coomassie Brilliant Blueよりも穏やかな染色液です。Ponceau S染色液はタンパク質を固定せず、染色後にウェスタンブロットによる解析を再開できる点も重要です。

Ponceau S (CST #59803) は次のように使用します。メンブレンにタンパク質を転写した後、メンブレンをddH2Oで軽く洗浄し、メンブレンをPonceau S染色液中で5 - 10分間、室温でインキュベートします。その後、メンブレンをddH2Oで1 - 5分間、赤いバンドが見えるまで洗浄します。バンドをマークするか、写真撮影した後、メンブレンを1X TBS-Tで5分間、数回洗浄します。これで実験をそのまま継続することができ、残存したPonceau Sはブロッキングのステップで洗い流すことができます。また、Ponceau Sは抗体結合と相互作用しません。

概ね、どちらの染色も実験結果の信頼性を高めます。50 - 200 ngの範囲のタンパク質を検出する必要がある場合には、Coomassie Blueを使用するのが最良の選択です。しかし、CSTは迅速で簡便、穏やかながら効果的なPonceauをよく利用しています。

追加リソース:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5445784/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2429581/

https://advansta.com/seeing-blue-red-coomassie-vs-ponceau-staining/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5646381/

https://www.thermofisher.com/document-connect/document-connect.html?url=https%3A%2F%2Fassets.thermofisher.com%2FTFS-Assets%2FLSG%2Fmanuals%2FMAN0011332_GelCode_Blue_Stain_Reag_UG.pdf&title=VXNlciBHdWlkZTogIEdlbENvZGUgQmx1ZSBTdGFpbiBSZWFnZW50

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