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免疫学:骨髄系細胞とその同定

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ヒトの造血において、骨髄系細胞は、骨髄の骨髄系共通前駆細胞 (CMP) に由来します。この系列に含まれる単球や顆粒球、赤血球、血小板は、自然免疫系の主要な構成要素であり、感染に対する防御の第一線として機能します。

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骨髄系細胞の種類

現在までに、25もの異なる骨髄系細胞が明らかにされており、それぞれが免疫応答において独自の役割を果たしています。骨髄系サブタイプの同定および定量の能力は、なぜ特定の病原体に応答して異なる細胞集団が活性化されるのか、そして、それらが免疫における課題の解決にどのように寄与するかを理解するために不可欠です。

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CMPからは、様々に最終分化した骨髄細胞のタイプが生み出されます。CMPから派生した主な細胞系譜には、以下のような細胞があります。

  • 通常の血液凝固に必要な血小板を生じる巨核球
  • 組織に酸素を運ぶ役割を持つ赤血球
  • ヒスタミン放出によるアレルギー応答への関与がよく知られる肥満細胞
  • 好塩基球、好中球、好酸球など、一連の顆粒球を生じる骨髄芽球
  • 単球、マクロファージ、樹状細胞の前駆細胞である単芽球

骨髄系列の各分岐の最終産物であるそれぞれの最終エフェクター細胞は、独自の方法で免疫応答に関与します。たとえば、好塩基球は多くの炎症応答で作用し、抗凝固剤であるヘパリンを分泌して血栓の形成を遅らせます。好酸球は、主要な塩基性タンパク質とリボヌクレアーゼを放出し、寄生虫やウイルスの感染を防御することがよく知られています。最も豊富な顆粒球である好中球は、炎症部位や感染部位の最前線で応答し食作用によって侵入した微生物を攻撃し除去します。マクロファージはほとんどの組織に存在し、外来の抗原や損傷した細胞を認識して食作用により素早く破壊し、抗原提示や他の免疫細胞を活性化します。組織の損傷や病原体感染が起こると、血流を循環している単球が損傷や感染部位に動員されてマクロファージに分化します。樹状細胞は、食作用によって細胞や異物を取り込む能力を持ち、それらは次いで抗原としてT細胞に提示するために処理されます。したがって、樹状細胞は、自然免疫系と適応免疫系の間で病原体に関する情報を中継する役割を果たします。

骨髄系細胞のタイプの同定

骨髄系列におけるそれぞれの細胞のタイプは様々な方法で区別できます。まず、骨髄細胞のサブセットは、その形態や組織あるいは血液における分布によって特徴付けることができます。ただし、異なる細胞クラスのきめ細かい分類には、個別の細胞表面分子の発現を抗体によって認識し免疫組織化学あるいはフローサイトメトリーによって視覚化する、免疫表現型の試験が必要です。分化の様々な段階でこれらの細胞表面分子に反応性を示す抗体のグループを使用して、「分化クラスター」(CD) 抗原を同定します。免疫表現型の試験に加えて、CD抗原の免疫反応性のパターンを使用して、不均一な細胞集団における特定の免疫細胞の存在を検出し定量できます。

骨髄系細胞系統のマーカーの例として、汎骨髄系マーカーであるCD11b、M2タイプのマクロファージのマーカーであるCD206、好中球のマーカーであるCD68CD15があります。一部のマーカーは各々の細胞クラスに固有ですが、骨髄系細胞の正しい表現型を評価するには、複数のマーカーを組み合わせた解析が必要なこともあります。

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