CSTブログ: Lab Expectations

Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験中に起こると予測される事象や実験のヒント、コツ、情報などを紹介します。

抗体の濃度と性能の関係:知っておきたいCST抗体のこと

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Cell Signaling Technology (CST) で抗体を購入すると、特定の濃度ではなく、特定の希釈倍率または希釈倍率範囲での抗体の使用を推奨していることにお気づきになると思います。この希釈倍率範囲は、各アプリケーションやアッセイにおいて抗体が最高の性能を発揮できるように、弊社の推奨プロトコールや試薬、バッファーを用いて社内で検証したデータをもとに決定します。

最適な抗体濃度とは?

より高濃度であれば、より多くの抗体が含まれているから価値も高いのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。多くの研究者は、抗体の濃度が高いほど良い結果が得られると信じていますが、実際はそうではありません。バイアルの中により多くの抗体が入っていたとしても、それが「より高い価値」を意味するとは限りません。すべての抗体が同じ性能を持つわけではないため、このような誤った認識により、使用するアプリケーションで最適な性能を発揮できない抗体を選択してしまうことがあります。

CSTは、アフィニティー精製やProtein Aを用いて精製したポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の幅広い製品ラインナップを提供します。つまり、弊社が提供する抗体は、非特異的な抗体や血清タンパク質を含む可能性がある混合物とは異なり、純粋かつ高品質であり、標的に特異的な濃度であることを示しています。CST一次抗体の濃度が低い場合、その抗体は感度と標的タンパク質に対する親和性が高いことを意味します。これらの抗体を用いて最良の結果を得るためには、製品ウェブページまたはこちらのプロトコールに従うことを推奨します。弊社ウェブサイトに掲載されている高品質なデータは、これらのプロトコールを用いて作成したものです。

なぜ、CSTは特定の濃度ではなく希釈倍率範囲を推奨するのかと質問されることもあります。多くの研究者は、どのクローンやロットを購入したとしても、特定の濃度を使用すれば毎回同じ結果や性能が得られると信じています。しかし、抗体によって活性レベルや感度、純度が異なるため、特定の抗体の濃度のみに頼ることはできません。抗体の濃度や純度は製造業者によって異なるため、すべての抗体や抗体ロットを同様に扱うことは避ける必要があります。

CST抗体は、特定の希釈倍率や希釈倍率範囲での使用が推奨されているため、一定回数のアッセイを行うことができます。つまり、濃度に関係なく、異なるロットであっても同じ回数の実験を行うことができ、ロット間で一貫した結果を得ることができます。例えば、弊社のウェスタンブロット用抗体の多くで1:1000の希釈倍率が推奨されており、100 uLで10回のアッセイを行うことができます。

CST一次抗体は、濃度に関わらず高品質かつ高性能な抗体であり、抗体性能保証もご用意していますので安心してご利用ください。CST製品の使用方法についてご質問がある場合は、テクニカルサポートまでご連絡ください。経験豊かなCSTの科学者がお答えします。

 

Alexandra Foley
Alexandra Foley
Alexandraは、CSTのサイエンティフィックマーケティングライターであり、Lab Expectationのエディターです。

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