CSTブログ: Lab Expectations

Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験中に起こると予測される事象や実験のヒント、コツ、情報などを紹介します。

細胞培養を成功させるための一般的なヒント

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研究室で細胞を培養していますか?このヒントに従えば成功率が上がり、時間を無駄にしたり、何としてでも避けたい細胞コンタミネーションを避けることができます。

細胞培養を成功させる方法

計画的になる: バイオセーフティーキャビネットには、目的の細胞株に使用するものだけを保管します。これには培地、コニカルチューブ、ピペットチップなどがあります。チップと培地はピペットを持つ手と同じ側のフードに置き、今使っていないその他の材料は後ろの方か、利き手でない方の手の側に寄せます。すべてのものをサッシから約10-15 cm奥の方に置き、グループ分けした材料は約25-30 cm離して置けば、クロスコンタミネーションの可能性を低減することができます。サンプル上での交差やウェーブもコンタミネーションの原因1つですが、これを避けることができます。開いている瓶やプレート、フラスコなどの上を、手や腕が横切ると、空中を舞っている何千もの粒子が培地の中に入ってしまう可能性があります。可能な限りゆっくりと、意図した動きのみを取ってください。

ごみに関しても計画的になる: 出ると分かっているごみは事前に仕分けしておけば、迅速かつ安全に片づけられます。古い培地を収集するための、少量の漂白剤の入った大きなフラスコかビーカー、およびピペットチップやラボワイプなど乾燥したものを入れるためのもう1つのビーカーを用意しておきます。またバイオハザードバケツは外側に置くとよいでしょう。ただし、比較的大きなもの(25 mL血清検査ピペットなど)を廃棄するために、フードの近くに置く方が良いでしょう。 

準備する: 細胞を播種するのに必要な培地をまだ取り出していないことや、プレートやフラスコに適切なラベルを付けていないことに、細胞を解凍し始めてから気づくと大変です。他には必要な処置や希釈に関する計算を行ったり、各ステップの進行を有効に追跡するためのノートブックを用意することなどがあります。事前の用意を完璧に行っておけば、ラボでの作業中の間違いや大急ぎで作業しないといけなくなるような事態を減らすことができます。

溜め込まない: バイオセーフティーキャビネットに一度に置くのは、1つの細胞株のみにするようにしましょう。これは、前述した「計画的になること」にも関連しており、複数の処理を同時に行うことは難しくなるかもしれませんが、バイオセーフティーキャビネット内でのコンタミネーションや事故のリスクを低減することができます。

無菌が重要: バイオセーフティーキャビネットは十分な量の70%エタノールで洗浄します。疑わしいときは量が多ければ多いほどよいでしょう。 フードに入れる各ボトル、プレート、その他の材料は70%エタノールで適切に洗浄します。これは「スプレーイン、スプレーアウト」として覚えておけば簡単です。手袋をはめたご自分の手も含め、フードに入りフードから出てくるものはすべて殺菌する必要があります。 スプレーのミストが蒸発したり拭き取られたら、次の作業を続けます。こうすればバイオセーフティーキャビネット内部と外部の環境を仕切るサッシを超えて、コンタミネーションが起こるという事態が、確実に回避されます。

開始前と終了時にはフードを拭き取ります。組織培養フードは汚染されていない環境ですが、その状態を維持するには注意が必要です。他にも機器を使う科学者がいる場合が多々あります。フードが汚染されていない状態であると過信したり、他の人たちが使うのに汚染した状態のままにしておくのは好ましくありません。 

フードの徹底的な洗浄を定期的に行いましょう。ラボによっては組織洗浄が当番制になっており、フードを定期的に解体し、徹底的な洗浄を行っているところもあります。そのような制度のないラボでは、少なくとも定期的に徹底的な洗浄を行い、コンタミネーションのない状態を保ちましょう。

最後に: 焦らないで!プロセスを楽しみましょう。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、細胞には生来の遅滞期があります。どのようなプロセスでもあわてて行うと間違いの原因となり、進展に遅れが出、それこそプロジェクトが「遅滞」しかねません。細胞は注意深く扱う必要があり、プロセスを急ぐと流れに支障が出る可能性があります。

Dan D
Dan D
Dan Dは、Cell Signaling Technologyの上級研究員です。

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