科学研究の再現性は、昨今、重要な議論テーマとなっています。この問題は、すでに公開された論文に対する研究コミュニティーの見方にも影響する可能性があることを考慮すれば、このような議論を行うことは重要な意義を持ちます。この問題には多数の潜在的な原因がありますが、CSTは、科学コミュニティで使用される試薬が適切に検証されているようにするというサプライヤーとしての役割に専念しています。
これは科学コミュニティー全体で考えるべき重要な問題で、大勢の人が議論に参加すべきと考えます。
こうした目的のために、Global Biological Standards Institute (GBSI) は2016年9月に特別会合を開き、どの抗体を研究公表前に検証すべきかを規定する基準を確立しました。この会合の準備として、誰もが意見を出せるよう大衆に向けてチャットルームを開きました。
当社の最高科学責任者 (CSO) であるRoberto Polakiewiczは、試薬供給会社はどのような責任を負うべきかに関する議論において、進行役のお手伝いをしています。そのうちのスレッドの1つでは、共有および/または標準化プロトコールの潜在的な影響に関して議論が交わされています。ここにその抜粋を載せますが、下のボタンをクリックすれば対話全体を表示できます。
「IHCを行うのが目的のときは、非変性タンパク質 (FACS、MS) を用いた抗体結合アッセイで特異性を判断するのは (当然) 十分ではありません。WB、IF、IHCなど変性技法が最もよく使われていることを思い出しましょう。そしたらやはり、非変性タンパク質結合アッセイのみを標準とするのはどうしても不十分です。さらに、間違った固定または抗原賦活化プロトコールを使うと、良い抗体でも誤った結果が出る原因となります。まとめると、特異性と感度を試験するためには、各アプリケーションでの徹底的検証が不可避なのです。そのため、私は、抗体すべてに適用される標準プロトコールには懐疑的です...」
是非ご意見をお聞かせください。