CSTブログ: Lab Expectations

Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験台に向かう時間に期待すること、ヒント、コツ、情報などを紹介しています。

よくある質問:シグナルパスウェイからキャリアパスウェイまで

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毎年夏、CSTの大学生および高校生のインターンは、バイオテック企業で仕事の経験を積む機会を持っています。この段階にいる学生さんは、きっと今後の進路について考えているはずです。それに役立ててもらおうと、よくある質問をご紹介することにしました。今回ご紹介するのは、5人のCST社員が自身のキャリア構築の経験を語った、インターン生との 「lunch and learn」セッションです。このセッションの一部を抜き出し、分かりやすくまとめました。

Q:ベンチでの実験とマネジメントのどちらが好きですか?

Caitlin R., RD Supervisor/Associate Scientist:

どちらもチャレンジングで魅力的ですが、私が一番好きなのは、トレーニング・指導することだと思います。ベンチから離れるのは悲しいことで、こう思えるようになるには時間がかかりましたが、他の人とベンチワークのスキルを共有すれば、会社全体に大きな影響を与えることができます。だから、私はトレーニングという役割を楽しんでいて、私のチームのみんなに、私が知っていることだけでなく、CSTに蓄積されているあらゆることを知ってもらえるように努めています。そうすることによって、より強いチームが構築できます。

Jackie C., Production Process Manager:

ベンチでの実験を続けるうちに、本当に興味があって好きなことが見つかると思います。たとえそれが些細なことでも、その分野で成長できます。実験に従事し続けて科学者として成長することもできるし、マーケティングや販売など、特に好きなことを見つけ、これまで積み重ねたスキルをまったく違う分野に持ち込むこともできます。私の場合、MBAの取得がそうした選択を助けてくれたと思っています。

Q: 現在わからない分野を学び理解するために、何をしていますか?また、全くわからないものにならないように、どのようにしていますか?

Erin H., Product Manager:

私の役割は、お客様を理解することです。しかし、研究者のひとりひとりが何をしているのか、詳細に理解することはおそらくできないですよね。ですから、彼らと一緒に多くの時間を費やして、できる限り理解することが大切です。パズルと考えていただければいいかもしれません。ピースは全て異なっており、いくつものインジケーター (見聞きしたことのある様々な研究や事柄) によって成り立っています。しかし、そんなに複雑に考える必要はありません。個々のお客様の研究テーマについて専門家になる必要はなく、彼らの共通のニーズが何であるかを理解し、それに対してどのような貢献ができるかを考えています。

Jackie:

「私は興味あるただひとつのことだけ取り組みます」というのも悪くはありませんが、会社の一員として成長するためには、大きな視点で物事を見ることも大切です。また、それによってスキルが薄まるとも思いません。本当に興味のあるひとつのことだけに取り組みたいのなら、もちろんそれも良いでしょう。でもそれはひとりひとりの目標が何であるかによっても変わってきます。好きなことなら何でも知りたいと思いますよね。ポッドキャストに耳を傾けたり、本を読んだり、何かに触れたり、壊したり、……おっと (笑)、私の場合はこうやって学びました。楽しんでいきましょう。

Ken B., Scientific Writer/Editor:

修士課程や博士課程で何を学ぶかを絞った後に得られることとして、狭い領域の深い専門知識だけでなく、専門外の分野の論文から必要な情報を読み取る力があります。実験の詳細の全てを理解できなくても、「なぜ科学者はこの疑問を解き明かそうとしているのか」が分かるようになるのです。

ざっと論文に目を通せば、結論が裏付けられているのか、そうでないのかが、分かるようになります。また、インターネット上のニュースサイトなどで、例えば新しい免疫療法が開発されたといった記事を読み通すこともでき、その分野の専門家でなくても、なぜ彼らがそうしたのか、彼らが何を成したのか、彼らが次に何を解き明かそうとしているのかが分かるはずです。将来のキャリアとして企業評価やコンサルティングを考えているなら、こういったスキルが役に立つと思います。専門分野のみに特化した研究者から、専門知識ではなく科学的な考え方や知識を必要とする他のビジネス分野に進むことができます。

Shidong W., Inside Sales Representative:

互換性について考えてみてください。これまで挙がったようなスキルをすべて吸収すれば、どんな領域にも互換性のある人になることができ、どの領域でも共通言語で話すことができます。専門家は他にいるので、あなた自身が専門家になる必要はないと思います。

しなければならないことは、周りとコミュニケーションをとりながら仕事ができるようになるということです。様々な分野からの情報を吸収するというスキルが必要な職種もあります。そのような職種のコアバリューは、異なる分野や異なる専門家の橋渡しをすることです。コンサルティング会社と呼ばれる企業がありますが、彼らが行うのは、異なる業界の専門家をつなぐことだけです。

Q: 最後にアドバイスをお願いできますか?

Jackie:

楽しんでいきましょう。持続させるのは難しいかもしれません。「将来何をするかなんてわからない」とあなたは言うかもしれません。それは私も同じです!しかし、人生一度きりですから楽しまなければ損です。解決すべき問題はたくさんありますが、いつかはそれらの答えが見つかります。今答える必要はありません。Erinも言ったように、何かに挑戦してみることです。試してみて、嫌いだったら別のことをまた試せば良いのです。それだけのこと。どのような決断をしても、それで終わりではありません。残りの人生で一つの決断だけをしなければならないと固執する必要はありません。

Ken:

インターンシップやボランティアを続けることをお勧めします。ネットワーキングと聞くと足がすくんでしまうかもしれませんが、それほど身構える必要はありません。どんな繋がりであれ、「この業界やこの会社で働いている友人はいませんか?」と訊ね、コーヒーでも一緒に飲みながら、それが何であれ、もっと詳しく学ぶようにしてみましょう。

Caitlin:

可能であれば、素晴らしいメンターに学ぶことをお勧めします。メンターから新しいスキルを学ぶことができ、ネットワークも共有してもらえます。また、仕事に対する考え方が似た人に学ぶことも役立ちます。学校を卒業したばかりでは、自分自身の情熱が何か、まだわからないのではないかと思います。あなたと同じ意欲がある人と一緒に働くことを重視して実践すれば、あなたの情熱はどんどん育まれていくことでしょう。私はメンター制度のおかげで今の私があると思っています。

Shidong:

自分の思う通りにしなさい、と言いたいです。言うは易し行うは難しですが、どんな馬鹿げたアイディアであったとしても、それを試してみることです。何が起こるかはわかりませんが、自分自身と直感を信じましょう。リスクを分析した上で合理的な判断をしていますよね?最初は馬鹿げていると思えたとしても、じっくり考えてみれば本質が見えてきて、自然と正しい道を進んでいるはずです。周りと良い関係を構築するように心がけ、孤立しないようにしましょう。この社会ではみんなが色々な形で結ばれているので、良いネットワークを構築できるように心がけてください。

Erin:

私も、他の皆さんが言ったことに同感です。付け加えると、自分には今起きていることをコントロールする力はないと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。ネットワーキングにせよ、新しいことへの挑戦や学習にせよ、誰かが声をかけてくれるまで待っているような受け身の姿勢はやめましょう。興味があるなら、自分から動くべきです。

 

Kenneth Buck, PhD
Kenneth Buck, PhD
細胞生物学を学んだKenは、ラトガース大学で博士号を取得し、その後イェール大学でポスドク研究を行い、再生する神経細胞の細胞運動性に関与する細胞骨格の動態とシグナル伝達機構について学びました。CSTでは、他の科学者と協働してマルチメディアによる科学コミュニケーションを構築しています。ビデオのスクリプトを書いているときや、スタジオにいるとき以外は、Kenの庭ともいえる岩でごつごつしたマサチューセッツ州ノースショアで、同僚と共にマウンテンバイクを乗り回しています。

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