CSTブログ: Lab Expectations

Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験中に起こると予測される事象や実験のヒント、コツ、情報などを紹介します。

脱脂粉乳かBSAか?ウェスタンブロット用のブロッキングタンパク質の選び方 [ビデオ]

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あなたは今ウェスタンブロット転写膜の3回のTBST洗浄の、1回目用に5分後にタイマーをセットしたところです。どうしたら良いのでしょうか?お昼休みの時間まで、もう30回はチェックしたメールやソーシャルメディアをチェックしてもいいでしょう。でも代わりにもっと役に立つ、CSTのTech Tipsビデオをチェックするというのはいかがでしょうか?

これはCSTの抗体を開発し検証する科学者が登場し、プロトコールに関する知識やヒントをご紹介する、新しい短いビデオシリーズです。

ウェスタンブロット用のブロッキングバッファータンパク質の選択

このCST Tech Tipsビデオでは、脱脂粉乳またはウシ血清アルブミン (BSA) の転写膜ブロッキングタンパク質が、ウェスタンブロットの結果にどのように影響を与えるかについて解説します。 

また、このビデオでは、CSTのプロダクトサイエンティストであるSrikanth Subramanian博士が、転写膜ブロッキングタンパク質の選択について、脱脂粉乳に含まれるホスファターゼがシグナルに影響を与えるかどうかなど、注意すべき点について説明しています。

 

Tech Tipsビデオはブログでさらに追加していきますが、もしYouTubeのアカウントをお持ちならTech Tipsビデオのプレイリストをご覧ください。またチャンネル登録いただければ、新しいビデオが追加されたときに通知を受け取ることができます。 

ビデオの書き起こし:

ウェスタンブロットで転写膜をブロッキングするには、どのタンパク質を使えばよいでしょうか?Cell Signaling TechnologyプロダクトサイエンティストのSrikanthです。CST Tech Tipsをお届けします。

ウェスタンブロッティングに関してよく聞かれるのは、ブロッキングに脱脂粉乳を使えばよいかそれともBSAを使えば良いかという質問です。まず、ブロッキングステップの目的は、非特異的な結合によるバックグラウンドの量を低減することです。BSAは60 kDaの1つのタンパク質でできているのに対し、脱脂粉乳は大きさの異なる多数のタンパク質から成り立っています。ですので、より多くのバックグラウンドバンドを低減できる確率が高まります。

弊社は、5%脱脂粉乳入りのTBSTで1時間室温で振とうし、非標識一次抗体をブロックすることをお勧めしています。これにはリン酸化特異的抗体とトータル抗体も含みます。と言ったところで、もう質問がきているようです…脱脂粉乳であるホスファターゼはどうすれば良いか、ですね。これに関してですが、リン酸化シグナルの解析には脱脂粉乳を勧めない論文もいくつかあります。

これに関する弊社の意見としては、社内試験でこのような問題に行き当たったことは全くありません。CSTの科学者は多数のウェスタンブロッティングを行っているため、脱脂粉乳を1日1回以上調製します。もちろん脱脂粉乳のバッファーを一週間、二週間、またはそれ以上使わないでおいたら、シグナルがホスファターゼの影響を受ける可能性は増します。しかし繰り返しになりますが、弊社は毎日新鮮な脱脂粉乳のバッファーを使っていますが、このような問題に直面することはありません。

Phospho-Akt: ウェスタンブロットのミルクまたはBSAブロッキングタンパク質

この画像は、PDGFでで処理した3T3細胞のライセートで試験した、Phospho-Akt (Thr308) (D25E6) XP® Rabbit mAb #13038のウェスタンブロットの結果です。転写膜の1つは脱脂粉乳でブロックしており、もう1つの転写膜はBSAでブロックしています。BSA内でブロックした転写膜のバックグラウンドの方がずっと高いことがすぐに分かります。これに対し、脱脂粉乳でブロックした転写膜は、リン酸化シグナルの強くかつ明瞭な結果を示しました。

ですので転写膜のブロッキングの前に、製品それぞれのデータシートで推奨抗体希釈バッファーを確認してください。抗体に応じて、脱脂粉乳かBSAになります。いかがでしたか?アプリケーションに特異的なプロトコール全般は、cellsignal.comの製品ページからアクセスできます。他にご質問があれば、cellsignal.com/supportからCSTの科学者までお気軽にお問い合わせください。

是非、弊社のYouTubeページをチャンネル登録し、他のCST Tech Tipビデオをご覧ください。実験の成功をお祈りします。そしてまたお会いしましょう。ありがとうございました。

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Cell Signaling Technology, CST, and XP are trademarks of Cell Signaling Technology, Inc. 

Kenneth Buck, PhD
Kenneth Buck, PhD
細胞生物学を学んだKenは、ラトガース大学で博士号を取得し、その後イェール大学でポスドク研究を行い、再生する神経細胞の細胞運動性に関与する細胞骨格の動態とシグナル伝達機構について学びました。CSTでは、他の科学者と協働してマルチメディアによる科学コミュニケーションを構築しています。ビデオのスクリプトを書いているときや、スタジオにいるとき以外は、Kenの庭ともいえる岩でごつごつしたマサチューセッツ州ノースショアで、同僚と共にマウンテンバイクを乗り回しています。

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