DNAやヒストンタンパク質のエピジェネティック修飾は代謝性遺伝子発現を調節することが知られており、これはまた逆に代謝産物の量に影響を与えます。逆に言えば、エピジェネティックなDNAやヒストンの改変を行う機構は、細胞代謝から生じる代謝産物に対する感受性が非常に高くなっています。
したがって、発がんと関連性のある代謝上の変化はエピジェネティック機構に影響を与え、がんの進行を相乗的に促進するフィードバックループを作り出します。このウェビナーでは、エピジェネティックスと代謝の間のクロストークにおいて責任を負うタンパク質を標的にすることにより、どのように新規の効果的ながん治療法を開発できるかを探ります。
ウェビナーでは、以下の内容をお伝えします:
- 代謝産物によるクロマチン修飾の調節に関する主要概念と一般的機序の紹介
- アセチル-CoAの産生におけるグルコース代謝とアセテート代謝の間の相互作用と、これが腫瘍中のヒストンアセチル化にどのように影響するか
- 代謝とエピジェネティックスの共通部分ががんの発病にどのように影響し、どのような治療法の可能性を提示しうるか
演者:
Kathryn Wellen博士
ペンシルベニア大学
ペンシルバニア州フィラデルフィア
Jason Locasale博士
デューク大学
ノースカロライナ州デューク大学