質量分析機器やサンプル処理法が進化したことによりプロテオミクスが進展し、基礎生物学と創薬初期の両方に用いることができるようになりました。タンパク質の存在量や翻訳後修飾 (PTM) 状態の変化は、多くの場合新規治療薬の活性や生物学的システムの治療に対する感度・抵抗性を反映しています。
翻訳後修飾の解析のためには、複雑な混合物から修飾ペプチドを濃縮する方法が欠かせません。主流となっている方法が免疫アフィニティー精製であり、分析対象のペプチドを補足するために、翻訳後修飾 (または、レムナントモチーフ) に特異的に結合する抗体を使用します。これらの方法をさらに発展させるため、今回PTMScan®免疫アフィニティー精製の自動化プロトコールについて報告します。これは「Phynexus MEA benchtopロボット」を使用して開発したもので、最高で12サンプルの同時調製が可能です。自動化システムの最適化には、ペプチドのインキュベーションや洗浄操作、抗体-レジンクロスリンクの感度および特異性への影響に関する検証が含まれます。このテクノロジーをUbiquitin Remnant Motif (K-ε-GG) 抗体と組み合わせることで、現在では、培養細胞や組織に由来するサンプルで、1万を超える多くのユビキチン化イベントを同定・定量することが可能となりました。このウェビナーでは、創薬初期におけるPTMScan®技術の活用や、細胞内シグナリングのマルチプレックス解析における自動化技術の将来について焦点を当てています。
このウェビナーでは以下を取り上げます:
- 新規の治療標的の活性化状態を評価するために、翻訳後修飾における変化をどのように活用できるか?
- 12サンプルの同時調製を可能にする、PTMScan®免疫アフィニティー精製の自動化プロトコールとは?
- 創薬初期におけるPTMScan®測定法の有用性、および細胞内シグナリングのマルチプレックス解析における自動化技術の将来とは?
PTMScan®はCell Signaling Technology, Inc.の登録商標です。