CSTブログ: Lab Expectations

Cell Signaling Technology (CST) の公式ブログでは、実験台に向かう時間に期待すること、ヒント、コツ、情報などを紹介しています。

Cell Signaling Technology®製品は2022年CiteAb社の上位抗体リストを席巻

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毎年夏になると、科学コミュニティは、CiteAb社による「前年に最も引用された研究用の上位100抗体」の発表を固唾をのんで待っています。CiteAb社は、300を超えるサプライヤーが提供する約800万種類の抗体と、400万件以上の製品の引用情報をカバーするデータベースのデータマイニングを行い、市場全体の動向や注目されている研究分野およびアプリケーションの動向を提供しています。

抗体メーカーの視点では、CiteAb社のリストに掲載されるということは、研究者がその製品を信頼し評価していることを示します。研究者の視点では、CiteAb社の年次報告書から、今後の試薬の購入を検討すべき主要な抗体サプライヤーに関する情報が得られます。

Cell Signaling Technologyは、2022年のCiteAb社の上位抗体リストを席巻

CiteAb社の解析により、Cell Signaling Technologyは、2022年も依然として上位100抗体のうち最も多くを占めた抗体サプライヤーであったことが分かります。その具体的な数字は「36」であり、2021年より1つ増え、2番目に多くを占めるサプライヤーの2倍です。

2022年に最も多く引用された上位3抗体がCST製品*

さらに、弊社の抗体が上位3位を独占しており、Anti-rabbit IgG, HRP-linked Antibody #7074は6年連続で最も多く引用された抗体となりました。また、弊社のAnti-mouse IgG, HRP-linked Antibody #7076は順位を1つ上げて2位となり、Phospho-Akt (Ser473) (D9E) XP® Rabbit mAb #4060が3番目に最も引用された抗体となりました。

専門性の高い抗体製品が違いを生む

CiteAb社のデータをより詳しくみると、最も引用された上位10抗体のうち6抗体、上位25抗体の半数以上、そして上位50抗体のうち23抗体がCST製品であることが分かります。これは、新たに注目される研究分野用の、高度に特異的で厳格に検証された抗体を提供するという弊社の取り組みが認められた証であり、非常に誇らしく思います。

2022年に最も多く引用された抗体上位25のうち半分以上がCST製品*

この数字だけでも、弊社の成功は証明されますが、他社と明確に異なる点は、上位を占める弊社の多くの抗体が、専門性の高い製品であることです。上位100抗体にランクインした36のCST抗体のうち、二次抗体やローディングコントロールなどの実験室の定番品はわずか9製品だけです。残りの27製品は、多様な研究分野を網羅する一次抗体です。これは、2番目に最も多く製品が引用されたサプライヤーが提供する、専門性の高い製品のおよそ4倍の数です。また、弊社は、CiteAb社の最も引用された一次抗体の上位10抗体リストのうちの9抗体がCST製品であることを大変嬉しく思っており、科学研究を前進させるという決意を改めて心に刻みました*。

2022年の最も引用された一次抗体の上位10抗体のうち9抗体がCST製品です*

「最も多く引用されたCST製品の大半が一次抗体であることから、弊社が汎用性のある補助試薬だけでなく、科学的な発見を可能とすることに熱心に取り組んでいることが分かります。」と、グローバルストラテジックマーケティングマネージャー (バイオファーマ担当) であるSamuel Jensenは述べます。「弊社は、科学者が設立し運営する企業であるため、お客様が研究を進めるために何が必要かを真に理解しています。」

*CiteAb:"What were the top 100 research antibodies of 2022?" July, 2023. (一般的なローディングコントロールを除く)

厳格な検証の方針

弊社が何年もの間、CiteAb社のリストの大多数を占めるのには理由があります。それは、弊社の厳格な検証の方針とその実践です。CSTは、早い段階で、あるアプリケーションでの性能が、他のアプリケーションでの性能を保証するものではないことに気づいたため、弊社抗体をアプリケーションごとに独立に検証しています。

CSTは、抗体を特定のアプリケーションで試験する方法を計画する際に、あらゆるアッセイにおける抗体の機能や特異性、感度の決定に用いられる6つの補完的な戦略であるHallmarks of Antibody Validation™ (抗体検証における戦略) を遵守しています。標的の生物学的役割、使用予定のアプリケーションとプロトコール、適切な試験モデルの利用可能性などの要因に基づいて、これらの戦略のどれを各製品に適用するかを慎重に選択します。弊社は、Hallmarks of Antibody Validationを活用し、最も効果的で適切な実験アプローチを選択して、試験した各アプリケーションにおける抗体の特異性と性能を決定します。このアプローチにより、弊社は、抗体の特異性と再現性のある結果を保証しています。さらに、検証済みのアプリケーションにおける最高の性能を保証するために、弊社の抗体はすべて製品性能保証の対象となっています。

CST抗体を用いる科学者は、目的のアッセイで、抗体が毎回期待通りに機能することを知っています。

これからの展望

2022年の解析結果と共に発表されたCiteAb社のブログにより、2022年のデータは、過去の解析結果と同様にランクインするサプライヤーの広がりを示す一方で、各サプライヤーが提供する製品数に変化がみられ、研究者が引用する抗体とサプライヤーは変動しやすいことを示していることが分かります。また、CiteAb社は注目すべき製品として、上位10抗体に初めてランクインした弊社のPhospho-p44/42 MAPK (Erk1/2) (Thr202/Tyr204) (D13.14.4E) XP® Rabbit mAb #4370、上位100抗体に初めてランクインした弊社のPhospho-Histone H2A.X (Ser139) (20E3) Rabbit mAb #9718およびPhospho-SAPK/JNK (Thr183/Tyr185) (81E11) Rabbit mAb #4668を挙げています。

これらの結果から、弊社が業界最高クラスの製品を開発し続けるためには、変化する研究者のニーズに注意を払い続ける必要があることが分かります。幸いなことに、これは弊社が得意とするところです。例として、弊社の起源である細胞内シグナル伝達が挙げられます。CSTの最高経営責任者であり設立者でもあるMichael J. Comb博士が、細胞内シグナル伝達イベントの研究用の、高度に検証済みの抗体が強く求められていることに気づき、1999年に弊社を設立しました。現在に話を戻すと、CiteAb社の最も多く引用された製品リストにランクインした弊社製品の多くは、シグナル伝達の抗体であり、弊社はこの分野における主要な抗体サプライヤーへと成長しました。また、CST製品を免疫学研究者による探索研究の加速に役立てる方法を発表した後に、CiteAb社のリストに弊社の免疫学研究用の3抗体がランクインしたことは大変意義深いと感じています。

CSTは、これからも科学を前進させるという使命に継続的に取り組み、2023年のCiteAb社の上位100に入る製品数がさらに増えるように邁進します。これを実現するためには、さらに多くの時間とリソースを一次抗体のラインナップの成長に費やすことが重要です。

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April Lowell, PhD
April Lowell, PhD
April Lowellは、分子生物学の博士研究者であり、CSTのサイエンティフィックマーケティングライターです。科学の最新トピックについての読み書きをしていない時には、家族とゲームをしたり、お菓子作りをしたり、最新のマニア趣味の世界を追いかけたりしています。

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